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Konstanz als Heimatstadt

コムシティ買取へ

八幡西区・JR黒崎駅前の複合商業施設「コムシティ」の商業フロアについて,北九州市が買い取りを発表した15日,関係者や市民からは賛否の声が上がった。
市は商業フロア(地下1階〜地上6階の計約2万9000平方メートル)などを所有する那覇市の建設会社・沖創建設と,不動産評価額(約3億5000万円)を上限に交渉。買い取り費用は3月市議会に提案する一般会計補正予算案に盛り込む。
活用方法は6月市議会までに概略を示すが,商業機能とオフィス・公共施設機能を半々とし,2013年3月までの再オープンを目指す。年間の施設維持費は約2億円の見込みという。
活用法に関しては,地元の住民,経済団体などから区役所や市立美術館本館(戸畑区)の移転,保育施設の新設,大学誘致などの要望が挙がっている。
コムシティは01年に開業したが,経営していた市の第3セクターの自己破産に伴い,商業フロアは03年6月から閉鎖。07年に立体駐車場(647台収容)を含め約24億4000万円で購入した沖創建設も,テナントを誘致できず民間売却も不調に終わり,昨年12月に市に購入を要請していた。
記者会見した北橋健治市長は買い取る理由について,「これまでの経緯や地元の要望を踏まえ,市が購入しなければ副都心・黒崎の再生の方向性が見えなくなることから決めた」と述べた。
今月9日に市に買い取りを求める要望書を提出した北九州商工会議所の羽田野隆士専務理事は「市の決定に感謝したい。黒崎の活性化に最適な活用法を見いだすため,地元関係者も必死に知恵を出し合いたい」と歓迎した。
黒崎商店組合連合会の北川元蔵会長も「ほっとした。区役所などの公共的な施設を入れてほしい」と期待。商店街を訪れた八幡西区紅梅の会社員,古賀智和子さん(64)は「イベントを催せる会場やカルチャースクールなどがあれば喜ばれるのでは」と話した。
一方,市民オンブズマン北九州事務局長の我那覇東子弁護士は,市がコムシティの建設費約311億円のうち89億円を補助し,3セクの自己破産で融資や出資金計約30億円が回収不能になっていることを指摘。「用途未定のまま巨額のハコモノを購入すること自体,理解に苦しむ。結局,テナントが入らないなど『お荷物』状態が続いたら,どう責任を取るのか」と,市に見直しを求める考えだ。
北九州市立大の斎藤貞之教授(経営学)は「商業施設という形態にこだわると,また失敗する恐れがある。黒崎地区をどう活性化するのかという視点から,コムシティのあり方を考えることも重要だ」と言う。

読売新聞の今日付記事からです。これまでも何度か取り上げてきた黒崎駅前の再開発ビル・コムシティの再建問題ですが,ついに市が買い取る方向になったようです。問題状況から見ればこの解決策以外に手がなかったので,おそらく市長再選を待っていたのでしょう。これまで何度も提案されては消えてきた八幡西区役所移転案が現実味を帯びてきました。
コムシティの問題は,市街地再開発の今後を象徴しているように見えます。開発すれば地価が上がり,建物の資産価値が高まる時代であれば,保留床の売却益などでこうした市街地再開発事業は成立していました。しかしそうでない時代に入っている今,こうした事業をどうやって経済的に成り立たせることができるか(べきか)はかなりの難問になりつつあります。