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Konstanz als Heimatstadt

スイスも脱原発

スイス政府は25日,国内に5基ある原子力発電所を,寿命を迎える2034年までに廃炉とし,改修や新規建設はしないとの国家目標を決めた。福島原発事故後,ドイツに続き「脱原発」政策にかじを切った。
記者会見したロイトハルト環境エネルギー相によると,全閣僚7人が特別会合を開き,(1)老朽化する原発の改修を含む現在の原発態勢の維持(2)改修はせず,今の原発の安全性が保てる間に順次廃炉(3)原発の即時稼働停止,の三つのシナリオを中心に協議。最終的に(2)を選んだ。ロイトハルト氏は朝日新聞の取材に「フクシマが,今後数十年のスイスのエネルギー戦略を変えた」と答えた。
スイスでは電力使用量の約39%を原発が担っている。今後は,約56%を占める水力発電の割合を高める方針。スイスにはアルプスの水源を活用した水力発電所が500カ所以上あり,まずはこれらの設備を改修するなどして効率を高めるという。さらに,太陽光や風力など再生可能エネルギーの導入も進め,原発分の穴埋めを図る。

朝日新聞の今日付記事からです。南ドイツ新聞の昨日付記事もほぼ同じ内容です。
スイスの原子力依存度は約4割で,原発の多くは国境地域(とくにドイツ国境のライン川沿い)にあります。首都ベルンの比較的近くにも原発があり,国の中央部にこんなものがあるのかと驚いたことがあります。スイスが脱原発に踏み切ったのはもちろん福島の事故の影響もありますが,最終処分場の問題もあったのではないかと推測します。スイスは核廃棄物の最終処分場探しをしており,これまたドイツ国境のヴィンタートゥア・シャフハウゼン周辺が候補地とされていました。もちろんドイツ(とくにバーデン=ビュルテンベルク州)は強く反対していました。原発の事故がリスクにとどまっているうちは打開策が見いだせても,現に起きてしまうと立地の問題を解決できなくなるという要素が,脱原発に舵を切る大きな要因であるように思います。