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Konstanz als Heimatstadt

国境コントロール

ドイツのデメジエール内相は13日,中東などからの難民や移民が隣国オーストリアを通って大挙して押し寄せている事態を受け,オーストリアとの国境で一時的に入国審査を行うと発表した。
欧州の自由な越境を認めた「シェンゲン協定」の運用が困難になったことを示した形だ。
独当局は13日,国境付近で旅券の確認を開始。オーストリアからドイツに向かう列車の運行は一時停止された。

時事通信の今日付記事からです。ドイツでもこのニュースは大きな注目を集めています。
ドイツはこれまで,難民の受け入れに対して積極的な姿勢を示す一方で,EU加盟各国に対して割当制の導入を求めてきました。ギリシャからハンガリーオーストリアをへてドイツを目指すいわゆる西バルカンルートで難民が流れ込み,各国で緊張が高まった際にドイツはオーストリア等からの難民を受け入れる措置をとったため,ミュンヘンに毎日1万人超の難民が到着し,その対応能力が限界を超えていると指摘されていたところでした。
今回の決定は,ドイツ・オーストリア国境のみで国境検問を行い,難民の流入をコントロールするもので,難民の受け入れ自体をやめたわけではありません。しかしドイツ国内の難民抑制派は,ドイツがもっと割当制の導入を強硬に主張し,加盟国間で難民の受け入れを連帯しておこなう体制を求めており,今回の国境検問の決定がその政治的なシグナルになることを期待しているようです。
ギリシャ債務危機問題が一段落してからというもの,ドイツ国内ニュースの大半は難民問題で,最も多いときでは20時からの全国ニュース(Tagesschau)の15分のうち14分が難民の問題にあてられています。EUの難民受け入れ体制の枠組がほとんど機能していない現状では,この問題を早期に解決するのは難しそうです。