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Konstanz als Heimatstadt

福岡五輪は本気か?

低予算での夏季五輪招致を目指している福岡市の山崎広太郎市長は15日の記者会見で,札幌市が五輪経費を総額約1兆8000億円と試算したことについて「(札幌市は)やる気がないからだ」と述べた。
山崎市長は,1000億円の予算で計画を作るよう指示していることを強調。札幌市の試算額について「どういうはじき方をしたのかは分からない」と算出根拠を知らないことを認めつつも「それを基に市民に聞けばみんな反対と言うでしょうね」と述べた。
さらに,福岡市と札幌市の経費が大幅に違うことについて「(札幌市は)オリンピックをやる気がないんですよ」と,取り組み姿勢の違いだとの認識を示した。

共同通信の昨日付記事からです。九州にオリンピックをという動きは今回が最初ではありません。ただ,今回は低予算路線を取ることで,財政の厳しい現在の状況でもなるべく市民の賛成が得られるようにしようという方向のようです。それにしても札幌市の試算額と福岡市の予定額とは18倍もの開き…,本当にやる気だけの問題なのか気になります。
気になるといえば,少し昔の記事なのですが,気になる内容がありました。

2016年以降の夏季五輪招致に名乗りを上げた福岡市が,同市西部に移転する九州大・箱崎キャンパス(同市東区)の跡地に7万人規模のオリンピックスタジアムの新設を検討していることが2日,明らかになった。
福岡市は国内候補都市を争っている東京都に対抗できる「コンパクトな大会が可能」と話している。スタジアムはメーン会場となり,開・閉会式や陸上競技が行われる。
市などによると,工学系や理学系などが入っている箱崎キャンパスの面積は計47ヘクタール。福岡市内最大の「博多の森競技場」の敷地約15ヘクタールを大きく上回る。工学系が今年から移転を開始。移転完了は2019年の予定だが,財政事情によっては前倒しも想定している。

共同通信の3日付の記事です。たしかに市街地でこれだけまとまった面積が確保できるのは九州大学箱崎地区だとは思いますが,福岡空港が現在のままである以上は高層建築が建てられないはずですし(これが大学移転理由の一つだったわけです),高さを抑えたとしてもものすごい騒音はどうするのでしょうか。会期中だけ飛行機を飛ばす方向を変えるのでしょうか。それともすでに新福岡空港が折り込まれているのでしょうか。
また,移転完了の2019年は(これまでの移転経緯からすれば)むしろずれ込む可能性の方が高いような気もします。だとすると,仮に2016年に立候補する場合には,あまりにリスクの高い地域選択のような印象です。もっとも大学移転にお金を更につけるということまで戦略に入っているのなら,この心配は的を射ていないわけですが…。

(追記)
本学の田中孝男先生より,次のサイトを教えていただきました。ありがとうございます。