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Konstanz als Heimatstadt

コムシティ競売へ

北九州市第3セクター「黒崎ターミナルビル」(自己破産)が運営していた同市八幡西区・JR黒崎駅前の複合商業ビル「コムシティ」について,破産管財人の田村一巳弁護士は10月上旬にも,福岡地裁小倉支部に競売を申し立てる方針を固めた。ビルを東京のテナント業者が購入し託児所など生活支援型施設として再生させる計画を進めていたが,一部の債権者の反対で行き詰まった。競売申し立てにより,再生計画が振り出しに戻る公算が大きくなった。
コムシティは2001年1月,同市の副都心・黒崎地区再開発事業で最大プロジェクトとして建設された。しかし他の商業施設との競合で伸び悩み,同社は03年6月に自己破産。一部のフロアを除き空いたままの状態が続いている。
テナント業者は地下1階から地上6階までのフロア(約2万9000平方メートル)と隣接の立体駐車場(約1万8000平方メートル)を約30億円で購入する案を提示。医院や託児所,スポーツジムなどを入居させ,少子高齢化社会に対応する施設とする方向で協議が進んでいた。
ビルには,市が建設に際して融資した約34億7700万円の担保として抵当権を設定するなどしており,田村弁護士は「売却には抵当権の抹消が不可欠」として市や地元企業など6者に要請。市がビル売却後,約5億4700万円の支払いを受けることを条件に抹消に応じるなど4者は同意したが,残る2者は反対の意向を示し,業者への売却は不可能になった。
競売によって再生計画案は白紙となり,業者への売却に比べ,より低額で落札されるとみられる。
田村弁護士は「状況を判断し,競売という手段を選択するが,落札まで1年以上かかるだろう。抹消に応じない2者が同意に転じれば取り下げも検討したい。最良の解決に向け,利害関係者は協力してほしい」としている。

読売新聞の昨日朝刊(地域面)に掲載されていました。結局,抵当権抹消の交渉は失敗し,以前から言われていた再生計画が白紙になってしまったようです。景気回復基調の中で破綻から3年たっても再生への展望がなかなか開けません。