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Konstanz als Heimatstadt

ビックカメラ天神店の行方

地場家電量販店大手で業界7位のベスト電器(福岡市)は20日,同5位のビックカメラ(東京都豊島区)と資本・業務提携を結ぶと発表した。10月5日に全額ビックを引受先とする普通株842万7000株の第三者割当増資を実施する。これによりビックはベスト株の9.9%(議決権ベース)を保有する筆頭株主となる。九州に地盤を持つベストと,都心部の駅前に大型店を構えるビックは店舗が補完関係にあることから,相乗効果が見込めると判断した。
ベストを巡っては,業界首位のヤマダ電機がベストとの合意がないまま,株式を6.47%まで買い集め,第2位の株主に浮上。このため,業界内では,ヤマダへの対抗策との見方も出ている。ベストは増資によって調達する56億7800万円を,子会社のさくらやの有利子負債の削減や運転資金に充てる。
ベスト,ビックの両社は10月に業務提携推進委員会を設立し,提携の内容を詰める。業務面では,物流や独自商品の開発を共同化してコスト削減を図る一方,営業力強化のため,人材の交流やポイント制度の相互利用などを検討する方針だ。
この日,福岡市内で記者会見したベストの有薗憲一社長は,「今回の提携とヤマダの株式取得とは関係がない。ヤマダとは全く接触がない」と述べた。また,全国で唯一競合する福岡市・天神の店舗運営については,「ベストに任せてほしいと言うつもりだ」と話した。
ビックは業界2位のエディオンと3%ずつ株式を持ち合い,資本・業務提携を結んでいる。3社を合わせた売上高は約1兆6000億円となり,最大手のヤマダをしのぐ「3社連合」となる。有薗社長はビックとの経営統合について「今のところ考えていない」と否定しているが,ヤマダの出方などによっては,統合にまで進む可能性もある。

読売新聞の昨日付記事(地域面)からです。投資目的だとするヤマダ電機による着々と進む株式の買い進みに対し,ベスト電器が出した対策はビックカメラとの業務提携でした。
たしかにビックカメラベスト電器は,福岡天神と東京新宿以外にはあまり競合しているスポットがないような気がします。とはいえ,これによりビックカメラ天神店が実質的にベスト電器の経営になるとすると,福岡の消費者にとっては選択肢の現象につながる可能性はあります。

一方,今朝の日経新聞の朝刊には次のような記事が出ていました。

家電量販店最大手,ヤマダ電機の山田昇社長は21日,日本経済新聞記者と会い,業界7位で6%超の株式を持つベスト電器との提携を目指す考えを明らかにした。当面は経営への発言権を強めるため,持ち分法適用会社となる保有比率20%をメドにベスト株を買い増す意向を示した。ベストは20日に5位のビックカメラとの資本・業務提携を発表した。ヤマダはベストの大株主の立場からビックカメラとの提携に異を唱え,自社陣営への参加を求める。