- 作者: 梶井照陰
- 出版社/メーカー: フォイル
- 発売日: 2008/02/08
- メディア: ペーパーバック
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限界集落とは,65歳以上の高齢者が集落人口の過半数となり,独居老人世帯が増加し,集団の共同生活の維持が困難になっている集落のことです。現在8000弱あるとされ,集落が消滅する恐れがあるものもあるそうです。著者はそうした限界集落に住み,僧侶と写真家を職業としています。そのためこの本では限界集落の様子を撮影した写真が豊富に掲載されています。
取り上げられているのは全部で12の集落であり,基本的にはルポの形式がとられています。描写が中心であって,限界集落の社会学的分析や制度的な要因の説明はほとんどありません。しかしそれが逆に,限界集落の今の様子と直面している問題をかえって際立たせているように思います。とくに驚かされるのは東京都・檜原村です(本書・118頁以下)。首都圏から2時間のところにもこうした限界集落があると言うこと,また生活のために必要な道路等にも事欠いていることが書かれています。