ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

夏は来ぬ?

美しかった2年前の夏
1年で一番太陽の出ている時間が長いはずの夏至(Sommeranfang)のこの時期にもかかわらず,南ドイツは寒波に襲われています。日本でもニュースで伝えられていた南フランスの大雨の原因になっていた低気圧が先週金曜日に通過した後,北からの寒気が流れ込んだ影響で,昨日のコンスタンツは最低気温9度,最高気温12度でした。ただバーデン=ビュルテンベルク州の中には最高気温が2度だったところもあったようです。週末の大雨でボーデン湖は急激に水かさを増しています。さすがにこの時期には大学も自宅も暖房のスイッチがもとから止められているため,冬の時期よりも室温が低い状況になり,これまでほとんど使っていなかった膝掛けを持ち出すことになってしまいました。
夏は来たのか,夏は来るのかを気にするドイツ人にとって,一つの目安になるのが「七人の眠りの聖人の祝日(Siebenschläfertag)」と言われる6月27日(次の日曜日)の天気なのだそうです。もとは農民の言い伝え,あるいは迷信の類で,この日の天気がよいとその後7週間(=つまり夏の中心の時期)の天気がよいとされているそうです。ただドイツ人の友人によると,これは単に迷信と片付けられるほどのものではないようで,ある程度は科学的根拠で説明できるようです。ヨーロッパの夏は北大西洋からの高気圧が張り出すことで暑くなりますが,1年で一番日が長いこの時期の天気がよくないということは高気圧の発達がよくないということでもあり,日照時間が短くなっていく中ではこれ以上の高気圧の発達はあまり望めないので,6月27日(正確には6月下旬)に天気が悪いと安定した夏は来ないと言えるのだそうです。
太陽の活動が停滞期に入り,今春にはアイスランドの火山も噴火していることから,今年の夏が冷夏になるには理由に事欠かない状況と言えます。長く暗く寒い冬がヨーロッパの人の夏を待ちわびる気持ちを生んでいることが実感を伴って分かった今,夏が来るかどうか不安なドイツ人の気持ちもやはり理解できるようになりました。