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Konstanz als Heimatstadt

七隈線延伸へ

福岡市は,市営地下鉄七隈線天神南−橋本)の延伸について,天神南駅から大型商業施設「キャナルシティ博多」を経由してJR博多駅につなぐルートで整備する方針を固めた。2011年度当初予算案に関連費用を盛り込む。市議会は昨年2月,キャナル経由ルートによる事業化を支持しており,決定権を持つ高島宗一郎市長の判断が注目されていた。
市は,同ルートの事業費450億円のうち200億円は国からの財政措置を想定していた。国は今年1月,10年度中に具体的な整備方針が策定された地下鉄路線以外は,今後,財政措置の一部を廃止すると各自治体に通知。こうしたことも考慮し,高島市長が事業化を決断したとみられる。
関係者によると,高島市長は2月上旬,自民党公明党,みらい福岡の市議会与党3会派幹部と会談。七隈線延伸ルートについて「ほかの選択肢はかなり薄い」などと述べ,キャナル経由ルートに意欲を示したという。
市交通局によると,市が事業化を決定すれば,国の鉄道事業許可や補助金採択,環境影響評価などの手続きに3年程度,建設工事に7年程度を要するため,開業には10年程度かかる見通し。
七隈線延伸をめぐっては,市議会の交通対策特別委員会がキャナル経由など4ルート案を検討。昨年2月の中間報告では(1)事業費が最も安い(2)開業後6年で黒字(延伸区間)が見込まれる(3)費用対効果が最大−などの理由から,キャナル経由を「優先して整備すべきだ」と判断した。今月9日には中間報告に沿った最終報告をまとめた。
七隈線は,地下鉄空港線福岡空港姪浜)に接続しておらず,利用者は当初予測に比べ低迷。05年の開業以来単年度赤字が続いて08年度は約57億円に上り,打開策が喫緊の課題となっている。

西日本新聞の昨日付記事からです。他の新聞でも夕刊で一斉に報じていました。延伸のルートとしてキャナルシティ経由が有力であることは以前から伝えられていましたが,市長が替わってもこの方向に変化はなかったようです。また国の財政措置の時限性がこの段階での決断に影響しているようです。
北九州都市モノレールのときも,JR小倉駅との結節が悪かったときには利用者が増えず,500mの壁としばしば言われていました。地下鉄空港線天神駅七隈線天神南駅との距離はそのおよそ倍の900mであり,たとえ間に地下街があっても,結節性が悪いと利用客が増えないことが再び実証されています。天神の交通渋滞がひどいとはいっても,東京ほどのひどさではないので,時間の正確性から地下鉄をどうしても選択しなければならないという必要性が小さいことも影響しているのかも知れません。