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Konstanz als Heimatstadt

センター試験

平成23年度の国公立大学の2次試験が今月25日,スタートする。第一関門の大学入試センター試験の「外国語」では,選択5科目中で「英語」の平均点が8年連続最低となり,トップの「韓国語」とは100点満点換算で13点以上の差があった。得点調整はなく,「英語選択者が不利」という声も出ている。
センター試験の外国語は5つの言語から選択する方式。今年の平均点トップは韓国語で74・94点。フランス語(71・19点)▽ドイツ語(71・08点)▽中国語(67・07点)と続き,最下位が英語の61・39点。17年度には韓国語と21点の得点差が出ている。
同じ教科の選択科目で平均点に20点以上の幅がある場合,社会や理科では15点内に収まるよう得点調整されるが,外国語ではない。
文部科学省では「英語の選択者が圧倒的に多いため,公平な得点調整ができない」と説明する。外国語の受験者約52万人のうち,英語選択者は50万人以上。他の言語の受験者数との差があまりに大きいため,統計上,正確な得点調整は不可能という。
事前に平均点が同程度になるように,難易度を調整することも理論上,可能だが,それも行われていない。文科省の担当者は「英語以外は,受験生のほとんどが在日外国人や留学経験者が中心。得意だから平均点が上がる」と指摘する。
外国語を英語以外からも選択できる制度は,2年度のセンター試験当初からあった。それ以前は仏・独語だけ。9年度に「教えている学校が多い」(文科省)と中国語が加わった。
韓国語が加わったのは日韓共催でサッカーW杯が行われた14年度。韓国政府の要請を受けて政府が決定した。理由を中川秀直官房長官(当時)は「W杯があり,そういう流れの中で若い世代を中心とした交流を一層促進させる狙い」と,説明している。
ジャーナリストの野村旗守氏は「少なくとも韓国語は,外交上の理由で加えられた。その結果,英語選択者が相対的に不利になっているといえる。試験のあり方が議論になってもおかしくない」と指摘している。

産経新聞の7日付記事からです。

今年久しぶりにセンター試験の問題を見てみたのですが,確かにドイツ語と比較して英語は難しいのかもしれません。アクセントのない母音の発音の違いを設問にしていたのにはちょっと驚きました。英語の実力を測る上ではよい問題だと思いますが,他の外国語科目とのバランスはそもそも考えられていないように思います。
ドイツ語の方は,以前から,大学1年生でドイツ語を勉強した人の力試しにちょうどよいレベルだと言われていましたが,それは今年も変わりませんでした。大学1年生でのドイツ語の時間数が少ないとはいえ,もちろんそれは高校までの英語の学習を前提にしたものなので,単純な比較は出来ません。しかし英語の問題の難易度がドイツ語より高いという状況はあるような気がします。
この状況を逆手にとって,高校でドイツ語やフランス語などを教えるところが増えてくるとそれはそれでよいことです。高校段階で第二外国語に触れることは,第二外国語の習得を容易にするだけではなく,(それが西欧言語であれば)英語の理解を深めることにも繋がると思います。ただ,現状では,そうしたことが可能かつ実施されているのはおそらく首都圏の高校などに限られており,そうでない高校生は意欲があってもその環境を作り出すことが容易ではないのだろうと思います。