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Konstanz als Heimatstadt

開業3ヶ月

九州新幹線・鹿児島ルートの全線開通から12日で3カ月となる。開通前日に起きた東日本大震災の影響が心配されたが,熊本―鹿児島中央間の利用者数は目標を超えた。一方で,一部の駅で利用が伸び悩んだり,バスに客が流れたり,課題も見えてきた。
平日午後の熊本県玉名市のJR新玉名駅。新幹線を降りて改札を出ると客待ちのタクシーは2台だけだった。運転手の男性(57)は「お客は2時間に1人くらい。暇だけど,運転手の誰かが駅にいないといけないから」。市の担当者も「乗降客は見込みより少ない」と認める。開通前は一日3900人を見込んだが,千人に満たないという。
苦戦の理由について市の担当者は,停車本数の少なさを挙げる。博多行きの場合,平日の午前9時から午後3時まで,つばめは1時間に1本ずつ。さくらは朝と昼に各1本しか止まらない。博多まで通勤する女性(34)は「在来線の時より本数も減ったし,駅が遠くなったぶん,不便になった。速いさくらをもっと止めてほしい」と話す。
新しくできた駅は,どこも苦戦している。新大牟田駅も当初の乗降客見込みは一日2300人だが,大牟田市の担当者は「現実は厳しい」。市街地から離れた所にできた新駅の使いづらさも一因らしい。「定期券補助や修学旅行誘致などの努力が必要」と話す。
対照的に,在来線と同じ場所にある駅は好調だ。
JR九州によると,熊本―鹿児島中央間の利用客は5月15日現在で一日あたり約1万4100人。前年比59%増で目標を19ポイント上回った。鹿児島中央駅熊本駅では,観光列車にも効果が表れている。特急「指宿のたまて箱」(鹿児島中央―指宿)と蒸気機関車SL人吉」(熊本―人吉)の4月24日現在の乗車率はそれぞれ85%,90%と好調だ。鹿児島県によると,4月の鹿児島地区の宿泊客は前年より21%増えたという。
観光だけではない。博多―熊本間の定期券利用者は4月末現在で約370人にのぼる。熊本―博多間を通勤する男性(58)は「朝も30分遅く家を出られるようになった」と満足そうだ。

朝日新聞の昨日付記事からです。はじめからわかっていたこととはいえ,駅を作りすぎたことが九州新幹線の手放しの成功を妨げているような気がします。各駅停車の「つばめ」の乗車率が極端に低いのは,各駅間の距離が近すぎて新幹線のメリットを感じさせない所要時間になっていることにあるでしょう。福岡・熊本間の高速バスが増発されたり,つばめ限定の安売り切符が出たりしているのはこのことを裏付けているものと思います。