ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

40→60


ドイツやスイスの多くのバスは,乗車券さえ持っていればどの入口からでも乗車できるしくみになっています。逆に言えば,無賃乗車を防ぐことは運転手にはできません。その代わり,不定期で乗車券を持っているかどうかをチェックするコントローラーが乗り込み,持っていなければ罰金を払わせることになっています。
コンスタンツの市バスは長くこの罰金が40ユーロでしたが,この8月から60ユーロに引き上げられました。市バスの1ヶ月定期は現在44ユーロで,40ユーロを超えて久しいのですが,罰金は40ユーロで据え置かれたままでした。しかし,コントローラーに出逢う確率は極めて低く,期待値の点から見ても罰金40ユーロは低すぎると以前から思っていました。
コンスタンツ市の場合,夜9時を過ぎると,運転手に乗車券を見せてからしか乗れない前乗り方式になります。これは夜になると若者が多く乗車し,無賃乗車が発生しやすくなるからだと言われています。ただ,先日ある学生がバスの運転手にインタビューしたところでは,実は21時以降の乗車券確認は運転手にとっては負担であり,しかも運転手は乗車券をよく確認できておらず,降車する乗客がいれば途中のドアからでも乗れることから,あまり実効性がないと認識されているようです。
他方で前乗り方式でないことは,車いすやベビーカーの乗車・降車がしやすくなるという大きなメリットがあるほか,バスが満員に近くなっても乗車・降車が比較的容易であるという利点もあります。ドイツ・スイスでは駅に改札がないことも相まって,バス・電車間の乗り換えは本当に楽です。日本では無賃乗車を徹底的に抑え込む代わりにこうした利便が失われていることを,こちらに来るたびに痛感します。