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Konstanz als Heimatstadt

ロナルドドーア・誰のための会社にするか

誰のための会社にするか (岩波新書)

誰のための会社にするか (岩波新書)

日本の企業統治のあり方を問う本です。


筆者名と書名を見ただけで何となく内容が想像できてしまいましたが,読むとやはりその方向性は予想と同じでした。ただ予想外だったのはその与える印象の強さです。いわゆるグローバルスタンダードに潜む問題や日本型の伝統的な会社のもつよい点をさまざまな角度から説得的に展開しています。もちろん伝統的な日本型経営に戻れという主張ではありません。しかし株主の利益にのみ偏重するのではなく,従業員なども含む複数のステイクホルダーによる経営コントロールを構想する方向を支持しています。