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Konstanz als Heimatstadt

加藤廣・秀吉の枷(上)

秀吉の枷 (上)

秀吉の枷 (上)

本能寺の変の謎を独自の視点で推理する作品です。


信長の棺」に続くこの作品は,秀吉を素材とする歴史小説です。上巻が描くのは,秀吉の中国への出兵と竹中半兵衛の死から,秀吉が旧織田家の中で覇権を確立するまでです。
本能寺の変の部分では,最近有力になっている朝廷と光秀との関係に注目した立場に立ちつつも,秀吉がその過程に関与したとしています。本書の冒頭に竹中半兵衛を味方につけた場となった阿弥陀寺が,再び今度は秀吉の秘密をかき消そうとする舞台として登場する構成に巧みさを感じます。
あくまで歴史小説なのですが,なぜ信長が本能寺で討たれるに至ったのか,その経過で秀吉はどのように考えていたのかが明晰に分かります。文体も読みやすく,おすすめの小説です。