- 作者: 加藤廣
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞社
- 発売日: 2006/04/18
- メディア: 単行本
- この商品を含むブログ (18件) を見る
さきに紹介した秀吉の枷(上)では,賤ヶ岳の合戦までが描かれていました。この(下)では秀吉が覇権を確立して全国統一を果たし,さらには朝鮮出兵に及ぶ時代を扱います。
(上)においては信長の遺体が本能寺で見つからなかったことをめぐる謎が中心でした。(下)でもこの謎が影響してくる場面がいくつかありますが,むしろ中心となるのは秀吉の後継者をめぐる争いです。秀吉の子を2人産んだ茶々(淀の方)は秀吉のもとにあってから最初の子を身ごもるまでに相当の年数が経過しています。なぜ茶々が秀吉の子を産むにいたったのかが1つめの謎です。2つめの謎は「殺生関白」とも言われた関白秀次をめぐる事件でなぜ秀吉が過酷な仕打ちに出たのかをめぐる問題です。史実をベースにした推理であるため,非常に面白く読めます。