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Konstanz als Heimatstadt

北橋氏当選

2007年政治決戦初の与野党直接対決となった北九州市長選と愛知県知事選は4日,北九州で民主,社民,国民新党の推薦した新人が,自民,公明両党の推薦候補らを退け初当選。愛知では与党推薦の現職が野党の推した新人を破った。両選挙は統一地方選参院選の前哨戦と位置付けられ,与野党が国政選挙並みの態勢で激突。1勝1敗となったが,与党側は優位とみていた愛知でも苦戦し,女性を「産む機械」に例えた柳沢伯夫厚生労働相発言の影響をにじませた。結果は柳沢氏の進退をめぐり野党が審議拒否している国会の運営にも影響しそう。一方,自民は九州の県と政令市の首長選挙で昨秋の福岡市長選以降,3連敗。福岡,北九州両市での民主系市長誕生で,4月の福岡県知事選に影響が及ぶのは必至だ。
任期満了に伴う北九州市長選は4日,投開票され,無所属新人で元衆院議員の北橋健治氏(53)=民主,社民,国民新推薦=が,元国土交通省局長の柴田高博氏(57)=自民,公明推薦=と,元北九州市立大教授の三輪俊和氏(63)=共産推薦=の無所属新人2氏を破り,初当選を決めた。
投票率は56.57%で,過去最低だった前回を18.25ポイント上回り,現職の末吉興一市長が初当選した1987年(68.46%)以来,20年ぶりに5割を超えた。
初当選した北橋氏は「ここで流れを変えたい,という党派を超えたうねりが勝因。政策で選んでいただいた」と述べた。これまでの末吉市長を支えた,共産を除く総与党態勢が崩れ,初めて自民,民主(旧民社,新進含む)の二大政党が激突した市長選を制した達成感が,表情ににじんだ。
主な争点は,新空港や港湾など都市基盤の整備が進む一方で人口が100万人を割り込み,高齢化率が全国平均を上回るなど都市力が低下するなかで,どう新たな地域浮揚策を描き出すか,だった。
北橋氏は,大型公共事業に重点を置いた末吉市政を批判。子育ての充実など,ソフト施策重視への転換を訴えて市政刷新を強調した。衆院議員時代の選挙を支えた新日鉄中心の企業の結束は崩れたが,「北九州市民党」を掲げて無党派層にも浸透。民主党幹部らも再三来援して支持を広げた。
柴田氏は中央とのパイプを力説,企業誘致などの経済活性化を訴えた。ただ,支援に回った末吉市長の後継とみられ,現職批判の矛先を向けられたほか,政策も具体性を欠き,浸透しなかった。
三輪氏も福祉政策の充実などを訴えたが,届かなかった。
当日有権者数は80万4434人(市選管調べ)。

北九州市長選(開票終了)
当 北橋 健治 無新 217,262
  柴田 高博 無新 177,675
  三輪 俊和 無新 56,873

西日本新聞の今日付記事からです。愛知では現職(与党)が勝利しましたが,北九州では民主系が勝利しました。北橋・柴田両氏とも政策面における顕著な差はなかったことから,おそらくは末吉市政に対する評価,あるいは,国政における与野党に対する評価が影響したものと思われます。
最近は低迷していた投票率が5割を超えるほどに回復したのは,やはり久しぶりに本格的な「対立型」選挙となったからでしょうか。