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Konstanz als Heimatstadt

新幹線直通運転

平成23年春に全線開業する九州新幹線(博多−鹿児島中央)について,JR西日本と九州が,新大阪−鹿児島中央間で直通列車を運行させることで合意したことが13日,分かった。
来週に両社の社長が正式発表する。N700系をベースにした新型車両の共同開発に向け,来年度にも試作車を製造。新大阪−鹿児島中央を約4時間,新大阪−熊本を約3時間で結び,飛行機利用客の取り込みを狙う。
九州新幹線は16年3月に新八代熊本県八代市)−鹿児島中央が先行開業し,800系車両の「つばめ」が8両編成で運行されている。
全線開業後の相互乗り入れについては,東海道新幹線を管理するJR東海を含む3社で協議していた。
九州新幹線は全区間が8両編成を前提に設計されており,新大阪までの直通運転でも8両編成で運行。九州新幹線は急勾配(こうばい)が多いため現在の山陽新幹線車両での運行は難しいが,登坂性能の高い新車両を開発することで決着した。今年7月に東海道・山陽新幹線に「のぞみ」として投入されたN700系をベースにする。
また,列車自動制御装置(ATC)の方式が九州新幹線ではデジタル,山陽新幹線ではアナログで異なっているが,JR西はすでにデジタルを採用している東海道新幹線との直通運転を行っており,技術的にはクリアできるとみられる。

産経新聞の昨日付記事からです。


山陽新幹線九州新幹線相互直通運転が正式に決まりました。東海道新幹線との直通は技術的な大変さのわりに乗客増が期待できないことから見送りになったようです。それでも,南九州から近畿・中四国に移動するのに,かなり便利になると思います。関西圏は飛行機がある程度使えますが,それ以外の拠点都市には新幹線利用しか選択肢がないところが多く,その場合には九州新幹線との直通でかなりの時間短縮が見込まれるからです。
他方,九州新幹線の開業によって,九州内の在来線特急はどのようになるのかがやや気になるところです。以前の記事によると,九州新幹線は1時間4本の運転(熊本まで)を基本としたいようであり,また新大阪直通は1時間1本が検討されているようです。そうすると,

が基本的な構造になることが予測されます。この場合に,博多と長崎・佐世保を結んでいるかもめ・みどり・ハウステンボスは,新鳥栖接続に変更される可能性もありますが,博多・鳥栖間が現在でも30分程度であることを考えると,乗換の不便さから現状維持となることも考えられます。これに対し,在来線特急としては最も本数が多く走っている博多・小倉間(現在は1時間3本が基本)は,新幹線直通が1時間1本走ることで,本数が減る可能性がありそうです。おそらくは,現在小倉→熊本を走っている「ありあけ」がなくなり,朝夕以外の時間帯はかつての1時間2本で動くのではないかと予測されます。また北部九州からの乗客をJR九州が直通列車に誘導するのか,博多乗り換えに誘導するのかの戦略によってもここは変わってくるのかもしれません。あくまでJR九州の特急を使わせようとし,割引切符などを新設すれば,現状の1時間3本のまま(「ありあけ」の部分を博多までの「きらめき」に変更)の可能性もあります。