ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

あ,安部礼司脚本集

「あ、安部礼司~beyond the average~」脚本集SEASON1

「あ、安部礼司~beyond the average~」脚本集SEASON1

脚本集として読むと放送とは違った印象を受けるところもあります。


TOKYO FM系列で日曜日の17時から放送されているラジオドラマ,「あ,安部礼司 beyond the average」の1年目の脚本集が出版されました。かなり分厚く大きな本ですが,見た目はシンプルなデザインなのであまり威圧感はありません。
TOKYO FM系列の日曜17時といえば,長きにわたり「Sound Adventure」(松任谷由実さん)が君臨していた時間帯でした。その番組が別の時間帯に変わった後,短い期間の番組がいくつか続き,昨年4月からこの番組が始まりました。当初はこれも短命番組かと思っていましたが,3度の番組改編を乗り越え1年半を超えました。
ビッグアーティストが1時間番組を立て続けに担当しているこの枠の中でラジオドラマとはかなりの冒険だったと思いますが,ヒットしている理由は恐らく,話の展開が軽快でおもしろいことに加え,聞いているだけで世の中の流れについていけること,またかかる音楽が最近のFMではおよそかからない80年代から90年代前半のヒット曲であることにあると思います。
昨年はフリーのマンガ雑誌への進出があり,今年はこの脚本集が出版され,さらには,

あ、安部礼司スペシャル IMATSUBO HIGH-POSITION

あ、安部礼司スペシャル IMATSUBO HIGH-POSITION

というオムニバスCDまで出ています。一度聞いた番組でも改めてシナリオとして読むと随分印象が違います。シナリオから実際の放送までの間にさまざまな工夫がされていることが分かりますし,またシナリオとして読むと耳から聞いていたのとは異なった世界をイメージすることができます。
ラジオは聞く人のイマジネーションを掻き立てる暖かいメディアであるということがよく言われますが,その真骨頂がラジオドラマという分野だろうと思います。最近はあまりヒットするラジオドラマがなかったので,この番組の快進撃はラジオファンの1人として嬉しく思います。