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Konstanz als Heimatstadt

新日鐵八幡火災

新日本製鉄は30日未明,火災で停止していた八幡製鉄所北九州市戸畑区)での粗鋼生産や鋼材への加工工程を,30日中に再開するとの見通しを示した。ただ,火災現場のコークス炉は復旧のめどが立っていない。安定生産にはなお暗雲が漂い,自動車メーカーなど鋼材ユーザーの間に不安が広がる。
「高炉の操業は明朝までに再開したい。鋼材の供給には影響が出ないようにしたい」。火災が起きた29日の夕方,八幡製鉄所で記者会見した大西史哲総務グループリーダーは,そう話した。
供給に「影響はない」と言い切れないのは,火事の現場が鉄づくりの要の一つであるため。石炭を蒸し焼きにし,製鉄に欠かせないコークスに仕上げる炉だ。現場の炉は八幡製鉄所で使うコークスの約半分を生産している。1週間分あるコークスの在庫が尽きると,製鉄所外から調達しない限り,高炉の再稼働後の安定操業に支障が出かねない。
八幡製鉄所の高炉は新日鉄全体の粗鋼生産の約1割を占め,九州北部の自動車工場に鋼材を提供している。八幡の年間粗鋼生産約400万トンの約3割は車向けとみられる。
使用鋼材の2割を八幡から調達している日産自動車九州工場(福岡県苅田町)は,鋼材供給が停滞した場合の対応策について「検討中」。やはり八幡から調達しているトヨタ自動車九州(同県宮若市)やダイハツ九州大分県中津市)も火災の影響を調べている。九州に生産拠点がない三菱自動車でさえも「もし八幡の生産が減れば,いろんなことが起こりえる」(青砥修一取締役経理本部長)という。
03年9月の新日鉄名古屋製鉄所(愛知県東海市)での爆発事故では鋼材の供給に支障が出た。他の鉄鋼メーカーに代替供給してもらえたのは,生産能力に余裕があったためだ。
現在は旺盛な新興国需要を背景に日本中の製鉄所でフル生産が続いている。「03年当時と現在では状況が違う」(国内の鉄鋼大手)という。
八幡はまた,変圧器やモーターなどに不可欠な電磁鋼板の供給拠点でもある。日立製作所は「かなりの量を八幡から調達しており,心配している」と話す。

朝日新聞の今日付記事からです。これはかなり驚きました。まだニュースとして伝わる前の段階で,昨日の朝はとくに煙も見えないのになんとなく全体的に臭いにおいがただよっていました。まさか新日鐵の火災だとは想いませんでした。その後も火災は続き,昨日は青空が広がっていたにもかかわらず戸畑の空だけが黒ずんでいました。
製造業ではとりわけ,工場内部での安全管理に大きな注意を払っています。新日鐵でも僕が知る限りこうした火災はずっとありませんでした。なぜ今回こうした大きな火災になってしまったのか,早期に原因が明らかになることが期待されます。