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Konstanz als Heimatstadt

留学の初期手続

留学の初期手続が終わりました。


日本からの出国の前,海外での入国後にはしなければいけないことがいろいろとあります。将来この種の手続をしなければならない方のためにも,備忘録を残しておきたいと思います。ただし,これは2008年8月のドイツの場合であり,また同じドイツでも手続を行う場所によって状況は違うようなので,あくまで事例としてご覧下さい。

出国前の手続

奨学金をもらう場合には奨学金についての手続が必要になります。その際には,奨学金の金額が書かれた証明書も同時に入手しておきます(後のビザ申請で必要になります)。また所属機関での出張手続がこれとは別に必要です。
所属機関に雇用されたままで,日本国内の住所も変更しない(=帰国後も同じ場所に住むために住居を維持する)場合には,国内の居住自治体で国外転出届だけを出す必要があります。1年を超える留学の場合にはこれを出すと,住民税が初めの1年分を除いて免除されるようです。国外転出届は国内での転出届とほとんど同じですが,転出先の国外の自治体にその紙を持っていく必要はありません。日本に戻ってきた場合,同じ場所で転入届を出すだけならばパスポートだけで手続ができるそうです(別の場所に戻る場合には戸籍などが必要となるそうです)。
海外旅行保険(健康保険・賠償責任保険など)も加入しておく方がよいでしょう。ドイツ国内にも扱っているところがあるので,それを利用する場合には予め入る必要はありません。留学用・駐在用の多くは期間が1年になっていて,それを超える留学をする場合には,代理店と個別に交渉して,webなどには出ていない特別プランを手配してもらう必要があります。この付保証明書もビザ申請で必要になるので,加入と同時にもらっておくとよいでしょう。できれば,保険金額だけではなく保険料についても記載してもらうとよいかもしれません。
荷物の準備も時間のかかる仕事です。スーツケースに持っていく分だけだとおそらく足りないので,それとは別に宅配便の海外別送サービスか郵送(とりわけSAL便)を利用することになるでしょう。聞いた話と体験を総合すると,海外別送サービスは税関手続を代行してくれますが,郵送ではそれがないので,もし税関で問題が生じたら自分で処理する必要があります。特に大きくて重い荷物はチェックされやすいようなので,小さくて軽い荷物に分けて郵送するのがよいのかもしれません。
海外で現金を引き出す手段もいくつか確保しておく必要があります。海外キャッシュカードサービスが代表的です。ドイツの場合にはここ最近,トラベラーズチェックを現金化することが難しく(あるいはかなり高い手数料が要求される)なってきているようで,最初に必要なお金は現金で持ってきて,その後は海外キャッシュカードでつなぐのが現実的なようです。

到着後の手続

派遣機関における手続は各大学でばらばらだと思います。図書館や研究室などの利用開始には,担当部署での手続が必要になります。いくつかの部署は午前中しかやっていないので,タイミングを合わせるのは大変かもしれません。
転入後1週間以内に,自治体に転入届を出す必要があります(1週間を経過しても怒られないようです)。その際には住居があることを証明する書類(例えば賃貸借契約)が必要なので,まず賃貸借契約書を得ておく必要があります。手数料はかかりません。
賃貸借契約書があれば,ドイツの銀行の口座を開くこともできます。その場合には,口座に対して定期的な振込があることを証明する書類(例えば奨学金の証明書)があるとよいでしょう。こちらでは口座維持手数料がかかるタイプが多いので(学生向けや若年層向けのプランのなかにはこれが要らないタイプもあります),どのくらいの維持手数料か,それでどの程度のサービスがカバーされているのかを確認することが必要です。
日本に対しては在留届を出す必要があります。現在ではネットでも出すことができるので,特に大使館・領事館までが遠い場合にはネットを利用した方がよさそうです。
最大の難関はビザの取得です。ビザは転入届を出した後に申請します。コンスタンツの場合には外国人局が基本的に午前中しか開いていないので(月曜日のみ午後も4時まで可能)これまたタイミングを合わせるのが大変です。
必要な書類は,転入届(賃貸借契約書)・所得証明書(所属機関・奨学金)・付保証明書と,客員研究員の場合には客員研究員契約(Gastwissenschaftlervertrag)に加え,受入協定(Aufnahmevereinbarung)が必要です。数年前までは教授の招聘状があればそれだけで良かったようなのですが,最近では大学の代表者がサインした客員研究員契約が必要になっていました。今月からは法改正によって受入協定まで求められるようになりました(このために結局ビザ申請のために2度も足を運ぶことになってしまいました)。これは,連邦が指定した研究機関・研究大学と客員研究員との契約で,書類には研究計画の概要なども書く欄ができています。客員研究員に対するビザの発行(とくに1年を超えるようなビザ)を容易にするためのもののようです。こうした書類は,コンスタンツ大学の場合,ウェルカムセンター(Auslandsreferat)が一元的に取り扱っています。そこで必要書類を確保してから手続を行うと早いと思います。