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Konstanz als Heimatstadt

駅まで100円サービス縮小

西日本鉄道(福岡市)は19日,グループで運行する高速・一般路線バス計約250路線のうち,山間部を中心に2割強にあたる最大57路線を2010年度末までに廃止(一部区間廃止を含む)するなどバス事業の抜本的なリストラ策を正式発表した。福岡都市圏を含め57路線で減便も計画しており,同社では過去最大のバス事業縮小になる。
景気低迷に加え,高速道路の自動料金収受システム(ETC)割引の影響で,08年度に19億円だったバス事業の連結営業赤字が,09年度は29億円に膨らむ見込みとなり,大幅な合理化が避けられないと判断した。
まず高速バス12路線を3月1日に減便・廃止し,同27日からは48の一般バス路線で減便する。さらに4月に一般バスの15路線(計28区間),今秋以降に39路線(計51区間)の廃止を予定しており,地元自治体と協議して存廃や廃止時期を判断する。具体的な路線名などは確定次第,公表する。
営業所も11年度にかけて福岡地区の18か所のうち2〜3か所を廃止。事業規模の縮小で最大200人弱の余剰人員が見込まれるが,バス部門内で雇用を維持する方針で,10年度の運転手採用は見送る。
西鉄は3年後のバス事業黒字化を目指すが,景気や収支の動向などに応じて,さらなるリストラも検討する構えだ。

読売新聞の昨日付記事からです。以前から情報が出ていました(西鉄はその段階では正式決定ではないとしていました)が,ようやく正式にバス事業の縮小が表明されました。この記事には出ていませんが,西鉄同日付プレスリリースによると,以下の駅まで100円バスサービスが廃止になるそうです。

■ 「駅から100円・駅まで100円」サービスの終了について
サービス終了日 平成22年3月26日(金)
※当日の深夜運行バスまでご利用いただけます。
対 象 駅 【西鉄天神大牟田線】・・・井尻駅西鉄二日市駅西鉄久留米駅
福岡市営地下鉄空港線】・・・姪浜駅

駅まで100円のサービスはこれまで拡大することはあっても縮小はなかったのですが,今回のバス事業の見直しで廃止のエリアが出てくることになります。もしかすると今後の展開によってはさらに廃止の地域が増えてくるのかも知れません。
連結営業赤字が1年間で10億円増えるというのはたしかに看過できる事態ではありませんが,需要に応じてバスを減便すると需要そのものがなくなってしまうおそれもないとは言えません。運行するバスのサイズの小型化やコミュニティバスへの切り替えといった方法が採られるべきですが,長期的には交通体系全体の中で路線バスをどう位置づけるのかという問題の検討が避けて通れないと思います。