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Konstanz als Heimatstadt

ドイツの文房具

ドイツの文房具事情は日本とかなり違っています。


ドイツを代表する(?)文房具のA4ノートと2穴バインダー
日本の学生はいわゆる大学ノート(主としてB5サイズ)やルーズリーフ(26穴)を使うことが多いように見えます。これに対してドイツではルーズリーフはほとんど見かけません。ドイツのノートはA4サイズのものがほとんどで,そのノートは切り離すためのミシン目が必ずといっていいほどついています。さらに2穴の穴がすでにあいていて,切り離すとすぐに2穴バインダーに閉じることができるようになっています。ドイツ人は基本的にこの2穴バインダーで書類を管理しており,文具店などには非常に分厚いバインダーが並んでいます。
ドイツの学生はほとんどペン(ボールペンまたは万年筆)を使って筆記しています。シャープペンシルや鉛筆を使っている人はほとんど見かけません。かといって修正ペンや修正テープを使っている学生もほとんどいません。日本の学生のように間違ったら消して書き直すという発想はあまりないようです。そのため消しゴム(Radiergummi,あるいは単にGummi*1)のカスが教室に散らばることもまずありません。ペンは基本的に単色(黒または青)であり,日本の学生のように,複数の色ペンを使い分けるこまめな学生はあまりいないようです。
字に関して言えば,一般にドイツの人たちは,字を丁寧に書くことにあまり価値を見出していないように見えます。もちろんきれいな字を書く人もいますが,逆に全く読めない字を書く人も日本より多いです。またサインはほとんど戦国大名の花押のようであり,日本人が(学校で習ったような忠実な筆記体で)サインをすると「かわいらしいサインだね」と言われることがあります。
ドイツの文房具は一般に日本のものよりも高いです。日本には安くても質の良い文房具がありますが,ドイツでは(文房具に限らず言えることかも知れませんが)値段と品質は基本的に比例しているので,良い文房具を買おうとすると高いものを選ばざるを得なくなります。逆に日本に比べて圧倒的に安いのが,冒頭に紹介したA4サイズのノートとA4サイズの2穴バインダーです。日本にはノートやバインダーにはたくさんの種類がありますが,ドイツではほとんどA4・2穴しかないと言っても言いすぎではありません。こうした生産の集中が,価格の低下を実現させているのかも知れません。日本では(以前ほどではないにせよ)A4サイズのノートがまだ十分には普及しておらず,B5サイズと比べて値段が高い傾向にあるので,なおさらその差が顕著になっているとも言えます。

*1:日本で「グミ」というとお菓子のグミを指しますが,ドイツ語で「グミ」と言った場合には「ゴム」ないし「消しゴム」の意味になります。お菓子のグミはGummibärchenと呼ばれます。熊の形をしているのがオリジナルのためこのような名称になっているようです。