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Konstanz als Heimatstadt

消える長距離列車

九州唯一の夜行列車,JR日豊線の特急「ドリームにちりん」が10日夜,最後の運転を迎えた。九州新幹線の全線開通と同じ12日のダイヤ改定で姿を消す。前身の準急「日南」から半世紀にわたって,東九州の夜の鉄路を走り続けた。
ドリームにちりんは,1960年から別府―西鹿児島(現・鹿児島中央)を走った準急「日南」を前身とし,93年に特急に格上げされて今の名前になった。現在は博多と宮崎空港の間を結び,福岡でコンサートやプロ野球を楽しんだ人が,そのまま大分や宮崎へ帰れた。1日平均の利用者は,93年の上下合わせて231人をピークに減り,09年は88人だった。
前日の9日午後10時52分に博多駅を出た列車も,別れを惜しむ乗客の姿が見られた。
10日午前1時30分,大分駅の1番ホーム。5両編成の列車が静かに滑り込んだ。真夜中にもかかわらず,鉄道ファンが降りては列車の写真を撮る。仙台市青葉区の小寺洋輔さん(21)は「九州最後の夜行特急をこの目で見たかった」。12日は鹿児島中央駅から九州新幹線に乗るという。
宮崎市の会社員,古田順平さん(32)は福岡への買い物にたびたび利用した。「乗り換えなしで宮崎まで帰れるから便利だった。これから少し不便になる」と残念そうだ。
午前3時25分に大分駅を出発。背もたれを倒した座席を見ると,乗客の多くは眠っている。車内には数人のいびき。延岡駅に着くまでの約1時間50分は,車掌の案内や自動音声のアナウンスは流れない。ただゴトゴトと線路を進む。窓の外は真っ暗だ。
午前5時18分,延岡駅に着く。通勤のサラリーマンら約60人が乗ってきた。リラックスした車内のムードはにわかに変わり,座席で横になっていた人も座り直している。すっかり明るくなった午前6時35分,列車は宮崎空港駅に着いた。(軽部理人)

朝日新聞の今日付記事からです。


九州新幹線が全線開業する明日の華々しいダイヤ改正の裏で,ひっそりと姿を消すのが夜行列車です。かつては急行かいもん・日南の2種類が走っており,それが特急ドリームつばめ・ドリームにちりんと変わりましたが,最後まで残っていたドリームにちりんが廃止になります。もちろん最後まで乗り通した経験はありませんが,部分的には乗ったことがあります。改正後はきらめき・ソニックとして部分的運行になるようです。乗り通す人があまり多くないのにダイヤを乱す可能性がある列車を走らせることが好ましくないという考慮と,新幹線と高速バスを使うルートで宮崎に行って欲しいという営業上の意図があって廃止となるのでしょう。
他方,次のようなニュースもありました。

日本貨物鉄道は3月12日,鹿児島線北九州貨物ターミナル駅福岡貨物ターミナル駅間における貨物列車の長編成化(コンテナ貨車26両,1300トンけん引)に対応工事が竣工し,運用を開始する。
工事は,区間が67.6kmで,着発線の延伸(北九州貨物ターミナル駅福岡貨物ターミナル駅),待避線の新設(福間駅),コンテナホーム改良等を行なった。事業費は27億5000万円。
東京から北九州までの間で1300トン列車を運行しているが,今回の完成で,東京から北九州までのメインルートが,福岡までさらに延伸され,輸送力が大幅にアップする。
この結果,鉄道コンテナ輸送力の増強は約17万トン/年で,モーダルシフトによる環境負荷の改善CO2排出の削減量が約3.2万トン/年,NOxは排出削減量が約27トン/年にもなる。
3月12日のダイヤ改正より,18本(下り9本,上り9の1300トン列車の運転を開始する。

流通ニュースの2月17日付記事からです。ほとんど同じ内容の記事が今朝の読売新聞にも出ていました。福間駅の駅舎改築工事に伴って待避線が整備されていましたが,その要因は上記の貨物列車増強だったようです。朝の通勤時間帯に本州から運行されてくる貨物列車がダイヤを乱すことが多いのですが,こちらは上記の設備投資で多少改善されるのか,気になるところです。