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Konstanz als Heimatstadt

8年ぶりの日本一

今シリーズで,逆転勝ちが決まったのは第1戦だけ。ロースコアの展開が続く中で,先制点の重要度は増していた。三回にソフトバンクがつかんだ最初の好機。無死満塁で打席に立った川崎は,徹底して外角を攻める中日バッテリーの誘いに乗ることなく,きわどいボールを見極めて押し出しの四球を選んだ。「ヒーローになる」と宣言して臨んだ試合でも,決して平常心を忘れず有言実行の打席。多村,長谷川が作った好機を無駄にすることはなかった。
四回には,貴重な中押し点を奪った。2死二塁で,中日バッテリーは長谷川を敬遠。その思いを打ち砕くように,山崎は「狙い通り。ドンピシャ」と外角直球を右前に運んだ。中日に敗れた3戦は,すべて1点しか取れなかった試合。脇役の一打が重かった。
主役となるべきクリーンアップも黙っていなかった。七回2死二塁で,内川が,中日が誇るセットアッパーの浅尾が投じた直球を中前にはじき返した。「中継ぎとして最高の投手をこの場面で打ててうれしい」。相手を意気消沈させる適時打の重要さを,二塁ベース上で何度も両手でガッツポーズした背番号24が,一番わかっていた。
12球団トップのシーズン打率・267だった打線が,執念でもぎ取った3点。先制,中押し,ダメ押しと効果的に重ねた得点は,シリーズ全戦で2点以内に抑えてきた投手陣には十分な援護だった。MVPは,第4戦と第5戦で先制打を放った小久保。くしくも秋山監督が現役時代,37歳だった1999年に作ったシリーズ最年長MVPを更新した。「監督すいません」とおどけた40歳のベテランは「みんなの力。代表して僕がいただくだけ」と力強くいった。選手全員が,8年ぶりの日本一の立役者だった。(小川寛太)

産経新聞の今日付記事からです。ホークス日本一おめでとうございます!
前回の日本一からは8年という時間が経ってしまいましたが,若い力や新しい戦力の拡充をしながらの日本一には大きな価値があったように思われます。今回はなかなか点の取れない試合が続いていましたが,お互いに緻密な野球を繰り広げた日本シリーズらしい試合だったと思います。大舞台で力を発揮することの難しさとすばらしさを改めて印象づけたシリーズでした。