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Konstanz als Heimatstadt

修復工事

火災現場の現状

2010年のクリスマスに火災で消失したコンスタンツ中心部の歴史的建築物は今もなお焼け跡が目立ち,修復工事はあまり進んでいないように見えます。この火災は4日間かけて約100人の消防員を動員しての放水によってようやく鎮火したそうですが,その傷跡の大きさが現状からも窺われます。
ただ,今回気になったのは,夏に滞在したときとほとんど状態が変わっていないことです。修復工事が時間がかかる理由はいくつかあるようです。一つは火災保険との関係で,どこが出火元で誰に責任があるのかを明らかにする作業が相当長くかかったことです。また火災保険で出る金額は修復に必要な最低限度であり,迅速な修復をするために必要な資金が出ないという問題もあるそうです。もう一つはこの建築物が壁面に絵が描かれた歴史的建造物であり,これを元に戻す作業に気が遠くなる時間がかかるということです。一般に石造りの建築物はメンテナンスに膨大なコストがかかります。古い教会を維持するためには,石を順番に一つ取りだして代替の石を入れ,それに修復を施して元に戻すという過程を繰り返します。石造りは頑丈でいつまでも建っているイメージを日本人は持ちがちですが,維持のためのコストは木造以上のものがあるのかもしれません。それでも昔からの建築物を維持する努力を現在でもドイツ人は続けており,しかもそれが比較的小さな集落でもみられることには驚かされます。