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Konstanz als Heimatstadt

Ja oder Nein?

ドイツ語の決定疑問文(はい・いいえで答える疑問文)に対する返事はJa(はい)かNein(いいえ)です。Yes-Noのはっきりしない日本人だと,ドイツ人からの疑問文にJaともNeinとも返事できずにもぞもぞ話し,相手から"Ja oder Nein?"(「はい」なの? 「いいえ」なの?)と言われることもしばしばあります。最近は減りましたが,僕もしばしばレール先生に聞かれました...。
他方で,ドイツ人に決定疑問文で質問しても,JaやNeinでない回答が返ってくることがあります。否定疑問文の場合のDoch(いや,そうです)は初級文法でも学びますが,次のような表現は少なくとも初級では出てきません。

Haben wir heute eine Sitzung?
──Eben!

この例では「今日は会議だよね?」という質問に対してebenという言葉が使われています。辞書をひくとebenは「平らな」と出ていますが,それとはあまり関係ない意味で使われています。ebenはjaのニュアンスですが,「そう,それを自分も言おうと思っていた」という意味を表します。この意味ではebenfalls(〜も)と近いと言えるかも知れません。似たような表現で"Ja, genau."がありますが,genauが単に相手の言っていることに「そうです」というだけなのに対して,ebenでは「自分も言おうと思っていた」というもっと強いメッセージが伝わります。

Ist Herr Michel da?
──Schon.

次の例では「ミヒェルさんはいる?」という質問にschonが使われています。schonは「すでに」という意味ですが,ここでは「もうすでに来ている」という意味ではありません。schonには,質問に対して肯定の回答をするとともに,その肯定をある程度限定する意味があります。日本語に訳すとすれば「まあ(まあ)」「そうなんですけどね」という意味になります。ここでは,「はい,いるんですけど([例えば]今電話で出られません)」という意味になります。
この2つの返事はほんとうによく耳にしますが,ニュアンスが分からないと相手の言っていることがよく分からなくなる厄介な単語でもあります。