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Konstanz als Heimatstadt

メルケル首相再選

グダニスクポーランド北部)=金井和之】ドイツ連邦議会は28日,9月の総選挙で勝利したキリスト教民主・社会同盟(同盟)を率いるメルケル首相(55)を賛成多数で再選出した。同盟は26日に自由民主党(FDP)との中道右派連立政権樹立に合意。コール政権以来11年ぶりに右派政権が発足した。
投票には全議員622人のうち612人が参加。賛成323,反対285,棄権4だった。
FDPとの合意で,新政権は約240億ユーロ(約3兆3千億円)規模の減税を実施する。また,社会民主党との大連立だった第1次政権で決めた原発の操業期間延長など,これまでの「脱原発」政策は修正する。
第2次メルケル政権では,FDP党首のベスターベレ氏が外相兼副首相に就くほか,前政権のショイブレ内相を財務相に,グッテンベルク経済技術相を国防相に起用。経済技術相の後任にはFDPのブリューデル氏をあてる。

朝日新聞の昨日付記事からです。9月の連邦議会選挙でCDU(キリスト教民主同盟)・CSUキリスト教社会同盟)とFDP(自由民主党)が過半数を占め,CDU/CSU/SPD社会民主党)の大連立は幕を閉じることになりました。
首相は引き続きCDUのメルケル首相ですが,与党の構成が変わることで,政策面での違いが出てきそうです。CDU/CSU連邦議会選挙の前から,選挙で勝利すればFDPとの連立を組むことを表明していました。FDPも,CDU/CSU以外の党との連立の可能性を否定していました。その割には,連立交渉はかなり難航したと言えます。特に減税とその財源,社会政策のあり方をめぐって議論が紛糾していました。減税に関してはFDPの主張に沿う方向での決着になりましたが,社会政策に関しては前政権の政策をかなり引き継いでいるように見えます。
減税をめぐって新政権は,経済成長率を上向きにさせるために有効だという立場をとっています。これに対しては,国家財政の赤字が増大することや,さまざまな社会資本の更新に影響が出るといった反対論も強いようです。首相に再選されたばかりのメルケル首相が昨夜,テレビのインタビューに出演していましたが,聞き手はこの点についてかなり突っ込んだ聞き方をしていました。日本的な発想からするとやや失礼なのではないかという質問に対しても,論理的で説得的な説明を行おうとしているメルケル首相の対応に,「政治主導」という言葉の意味の一端を見た気がしました。