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Konstanz als Heimatstadt

福岡豪雨

24日に九州北部を見舞った豪雨について専門家は,積乱雲が多発して,くさび状に広がる現象「テーパリングクラウド」が梅雨前線付近で発生,そこに「湿舌(しつぜつ)」と呼ばれる湿った空気が流れ込んだことで,記録的雨量をもたらしたとみている。
日本気象協会九州支社の松井渉気象予報士によると,梅雨末期は局地的な豪雨が起こりやすいとされる。24日は,対馬海峡付近に停滞した梅雨前線の南側で多発した積乱雲がテーパリングクラウドを生み,福岡,佐賀,長崎3県にかかった。
湿舌は,大量の水蒸気を含んだ空気が南西から舌状に流れ込む現象。梅雨時に起こりやすく,梅雨前線を刺激し,大雨をもたらす。湿舌の影響を受けた梅雨前線が九州の山にぶつかると,雨雲が発達しやすくなり,今回も短時間に記録的な大雨になったとみられる。
松井気象予報士は「福岡県で今回のように広範囲な豪雨になったことは過去にほとんどない」という。その上で,南米ペルー沖で現在,海面水温が上がり異常気象をもたらすとされる「エルニーニョ現象」が発生していることを重視。「この影響で今年の九州北部は梅雨期が長引き,局地的な豪雨を引き起こしやすい状況が続いている」と説明した。
また,福岡管区気象台は「日本の南にある高気圧の勢力が弱く,梅雨前線を北に押し上げることができない」状態が当面は続くとみて,大雨への注意を呼びかけている。

西日本新聞の今日付記事からです。リアルタイムレーダーで見ていましたが,赤マークのエリアがこれほど広範囲にわたっていたのは過去にもあまり見たことがありません。
今年は冷夏の傾向があるようですが,過去の冷夏として思い浮かぶ1993年の夏にはこれほどの豪雨は少なくともこの時期にはなかったのではないかと思います。梅雨明けがはっきりしないまま今後とも豪雨が続く可能性があるので,災害への備えを十分にしておく必要がありそうです。