【ロンドン=大内佐紀】アイスランド南部で14日,大規模な火山の噴火があり,欧州各地に火山灰が到達した。
飛行への影響を恐れて少なくとも7か国が飛行禁止措置を打ち出すなどしたため,AFP通信によると最大5000便が欠航になった模様だ。影響は日本発の便にも及んでおり,世界の空のダイヤは2001年の米同時テロ以来という混乱を来している。
噴火したのは,首都レイキャビクの東約120キロ・メートルのエイヤフィヤトラヨークトル氷河の火山。付近の住民800人が避難したが,被害の情報はない。火山は昨年夏から活動が活発化し,3月にも噴火していた。
14日の噴火後は,火山灰が風に乗り欧州方面に広がり,専門家は今後もしばらく影響の範囲が拡大し続けるとみている。火山灰は航空機の操縦や航空管制に影響するほかエンジンに障害を起こす恐れもあるため,AP通信によると英国とアイルランド,デンマーク,ノルウェー,スウェーデン,フィンランド,ベルギーの7か国が上空の飛行を禁止。フランスでも24の空港が閉鎖され,ドイツやスイスでも欠航が相次いだ。
英航空当局は当初,16日早朝まで英国上空の飛行を禁止する措置を発表したが,禁止は少なくとも同日午後7時(日本時間17日午前3時)まで延長となっている。空の玄関ヒースロー空港はじめ英国発の便は15日だけで約840便が欠航となり,30万人以上が影響を受けた。また,日本や米国などからの旅客機の多くが,着陸出来る見通しが立たず,引き返した。
英航空当局者は,飛行禁止は「米同時テロの時にさえなかった事態」と語っている。火山灰の影響は時間の経過とともに広がっており,16日も各国で欠航が相次ぐのは必至で,影響の長期化が懸念される。
読売新聞の今日付記事からです。コンスタンツ最寄りのスイス・チューリッヒ空港はまだ閉鎖にはなっていませんが,おおむねケルン・ベルリンより北の空港からの飛行機が欠航になっているようです。またニューヨーク便やパリ便も欠航になっていました。全日空のヨーロッパ線は欠航とのことでしたが,スイス航空は(かなりの遅れになっていますが)フライトを続行しているようです。火山灰による影響なのでここ数日で収まるのかどうか予断を許しません。