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Konstanz als Heimatstadt

大学図書館の工事

コンスタンツ大学はドイツの大学としては珍しく,総合的な図書館のみを持っており,学部や講座ごとに図書を管理するシステムにはなっていません。キャンパスの中心にある図書館は全面開架で本が探しやすく,2010年まではしばしばドイツの大学図書館ナンバーワンの評価を得ていました。
しかし2010年秋にアスベストが見つかり,法学部の一部分が暫定的に開架で利用可能である以外は,別の書庫からアスベストの除去を施して請求に応じて本が配送されるしくみが現在でも続いています。一旦は開館に漕ぎ着けつつあったものの,再び別の場所からアスベストが見つかったことから工事が延長され,予定では今年いっぱいかかることになっています。
その間に大学図書館のスタイルは大きく変わりました。その1つは電子化です。電子契約を以前に比べると手広く進め,学内LANから無料でPDFがダウンロードできる図書・雑誌はかつてに比べるとかなり増えています。また,日本の大学図書館でも最近行われはじめている,雑誌等の文献のPDFによるコピーの配信サービス(KonDoc)もMitarbeiterクラス以上は利用できるようになっています。日本と違って図書についても利用可能です(ただし著作権の関係で一部分に限られるようです)。
工事ができあがった段階で,2010年以前のような利用形態に戻すのか,それとも電子化の進展を前提に,図書館の機能の多角化を図っていくのか,コンスタンツ大学図書館の今後の方向性に注目したいと思います。