ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

Wiedersehen!

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数少ない晴れの日
わずか1週間の滞在が終わり,日本に移動しました。今回の滞在中はあまり天気に恵まれることが多くなく,気温も低めでしたが,今日からは数日間晴れの予報で,気温も上がり,ようやく春本番となりそうです。コンスタンツの春を感じることがないままに終わったのは残念でした。
コンスタンツは相変わらず(少なくとも他のドイツの都市に比べれば)ゆったりした雰囲気を醸し出していましたが,地域によって,あるいは時間帯によっては,外国人に対する敵愾心をむき出しにするような人たちを見かけるようになりました。ヨーロッパで最も経済が堅調なドイツでも,右翼政党が国政選挙・州議会選挙で台頭を続けており,根拠が不明な不安ややり場のない怒りのような社会のフラストレーションがドイツ全体で貯まっていっている感じは否めないように思われます。自由と寛容を重視してきた戦後のドイツ社会がそれをどのように維持しようとするのか(あるいは維持が難しくなるのか),ここ数年が重要なターニングポイントになりそうです。

雪ではなく霧

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コンスタンツの霧
2月下旬から3月上旬にかけて暖かかったはずのコンスタンツですが,今回の滞在中は荒れた天気が多く,晴れ間は非常に貴重です。土曜日はある程度晴れていましたが,日曜日の夕方から再び雨になり,月曜日はくもりで気温が下がってきました。今日は天気予報では場合によっては雪ということでしたが,最低気温が0度程度にとどまり,雪は降りませんでした。しかし,代わりにかなり濃い霧が立ちこめています。
霧(Nebel)はコンスタンツの代名詞とも言うべきもので,特に春と秋に多発します。春と夏に短期滞在することはほとんどなくなっているので,先が見えにくいほどの霧は久しぶりに見ました。写真は朝6時ごろのものですが,視界は5mもないくらいです。ほとんど先が見えない道路を高速で走るバスにヒヤヒヤしていた留学中を,懐かしく思い出しました。

Transponderの違い

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新方式に対応した大学のドア
ゲストハウスのTransponderと大学のTransponderは形は同じですが,しくみがやや違っています。ゲストハウスは解錠にのみ利用し,施錠はオートロックですが,大学は解錠と施錠のそれぞれにタッチが必要です。
最も大きな違いは,大学の方は毎日(厳密には18時間ごとに)アクティベーションが必要であることです。ただ持っているだけではタッチしても反応せず,決められた場所でアクティベーションの作業をして始めてキーとして利用できます。
このような面倒なことになった背景は,大学における盗難だそうです。コンスタンツ大学は街中から離れた場所にあるため,不特定多数者が入ってくることはあまりありませんが,図書館は誰でも利用することができるため,入場をコントロールすることができません。そのためか,以前から盗難被害がでており,マスターキーが盗まれたケースがあったそうです。そこで,部屋の場所が書かれていないTransponderを導入した上に,定期的なアクティベーションの作業がないと空かないようにして,盗難を防止するのが大きな目的だということでした。
アクティベーションの作業の方法を聞いたときには,何と面倒なことをと思いましたが,そのような背景事情であればやむを得ないことかも知れません。

久しぶりの青空

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晴れ渡るコンスタンツ
到着日の前後から天気が悪化し,この時期としてはあまり経験がない強風と雨が続いていたコンスタンツでしたが,土曜日の昼からようやく回復し,青空が戻りました。
強風の影響なのか,ボーデン湖の対岸まで晴れ渡り,スイスやオーストリアの山々がきれいに見えていました。この時期としてのみならず年間を通してもなかなか見ることができない風景は,これまでの強風・雨の置き土産かもしれません。
もっとも,今日・明日は時間帯によっては雨の予報になっており,完全に天気が安定するのは火曜日以降になりそうです。

自転車専用レーンとバス

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6番のバスの新ルート
コンスタンツ大学のゲストハウスがある通りは比較的幅が広いですが,これまで一部の例外を除いてバスは1時間2本しか走っていませんでした。そのバスも一時期は廃止されていたことがありました。
今年の3月から,その少し奥の通りを走っていた6番のバスが,ゲストハウスに面する通りを通る路線に変更されました。その理由は,以前に紹介した自転車専用レーンです,6番のバスが曲がる交差点には自転車専用レーンが設置されており,もともと狭い幅の道路を通るのにさらにバスが曲がりにくい状態になっていました。プレスリリースによると,自転車との接触事故の危険が高まっていることから,バスの経路を変更したとのことです。
6番のバスは平日は1時間4本走っており,ゲストハウスと駅との連絡はかなりよくなりました。また,6番(西行き)のみが止まるバス停としてEbertplatzが設置され,久しぶりにこの名前のバス停が復活しました。もっとも,同じ通りを走るのに,6番しか止まらないバス停(Ebertplatz, Hallenbad)と4/13や13/4も止まるバス停とが混在しており,観光客には分かりにくくなっているようにも思われます。

Wohnung? Hotel?

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新たなホテル
コンスタンツ大学のゲストハウスがあるSeerhein地区は,ライン北岸にあり,もとは工場等が立ち並んでいました。再開発によって高級住宅街(集合住宅)が出来上がり,既存の住民とのコンフリクトが生じてきたのは以前にも取り上げたことがあります。
そのSeerhein地区の最新の建物が完成していました。建設されたのはホテルでした。コンスタンツではとくに夏の時期に観光需要が大きく,その割にはホテルが少ないため,夏のホテルはとりにくく,かつ価格も高騰しています。ホテルができたことで,こうした観光需要をある程度受け止めることができるようになるかも知れません。
他方で,コンスタンツでは以前から住居が不足しています。小規模の割に大学もあり,町の規模に比して賃料は高めです。そこで,再開発の際には居住スペースを確保することが意図されていました。観光需要を優先させるべきか,居住者の利便を向上させるべきかという問いは,京都などの観光都市と共通の難しい課題です。

Transponder

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トランスポンダ
コンスタンツ大学ではここ5年ほどの間に,それまでの通常の鍵を廃止して,トランスポンダ(接触型のチップ)を導入してきました。ゲストハウスが新しくなった2011年にはゲストハウスで導入され,その後は大学の中の部屋でも設置が進んでいました。法学部が入っているCの建物はその例外で,前回の滞在(2018年8月)までは旧来の鍵でしたが,今回の滞在からついにトランスポンダに変更されていました。
トランスポンダは,鍵が使える有効期間を設定できる等のメリットがありますが,一部のドアは停電時に使えなかったり,接触の仕方が悪くて施錠・解錠がうまくいかないケースもあります。部屋に入ることができるかどうかが生命にかかわる冬の寒さの時期もあるので,個人的には以前の鍵の方がよかったと思っています。