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Konstanz als Heimatstadt

ドイツの近距離公共交通(3)

スイス(ドイツ語圏)・オーストリアの近距離公共交通も状況は似ています。


チーズで有名なアッペンツェル地方を走るアッペンツェル鉄道もostwindに含まれている
スイスはドイツと違い,なお鉄道は国有鉄道スイス国鉄が中心です(SBB=Schweizerische Bundesbahnen)。しかし近距離公共交通については,ドイツと同様に運行は別の主体が担っていることがあります。またドイツとの違いはそもそも鉄道施設自体をSBBとは別の私鉄が持っていることもあることです。とりわけ山間部を走る鉄道は日本と同じ狭軌のため,駅がSBBと同じでもホームが離れていたり,駅舎が別の建物になっていたりします。
それでもドイツと同じく共通乗車券が導入されており,乗る上での不便はあまり感じません。スイスのドイツ語圏(東部スイス)ではOstwindという共通乗車券を発行する連合組織があり,かなりの範囲を移動できます。
オーストリアのSバーン
オーストリアも状況は似ています。オーストリアでは私鉄が比較的多いですが,近距離公共交通に関しては,ドイツやスイスと同じく地方自治体等の連合組織が大きな役割を果たしています。
東部スイスで特徴的なのは,Sバーン(近郊電車)がバスのようにボタンを押さないと停車しない駅が比較的多いことです。列車の車内放送で,

Nächster Halt, auf Verlangen, ...

と案内された場合には,その駅には停車ボタンを押さないと止まらない(ただし乗客が駅にいれば止まる)ことになります。いくつかの主要駅以外はこのような扱いになっているようです。auf Verlangenは「求めに応じて」という意味ですが,車内アナウンスはわずか一度だけで,かつ雑音に紛れて聞き取りにくいので,小さな駅で降りるつもりのときには,車内の駅名表示が見える位置に座っていた方が良さそうです。