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Konstanz als Heimatstadt

ドイツの近距離公共交通(1)

ドイツの近距離公共交通には日本と比べて違いがいろいろあります。

近距離公共交通とは

ドイツでは近距離公共交通はÖffentlicher Personennahverkehr (ÖPNV)と呼ばれ,その運行の正確さと便利さをドイツ人は一般に誇りにしているようです。
スイス国鉄の子会社SBB Deutschlandが運行するSeehas
近距離公共交通には,バス(Bus),路面電車(Tram, Straßenbahn),地下鉄(U-Bahn),近郊列車(S-bahn)などがあります。これらは郡や市,あるいは日本の一部事務組合にあたるZweckverbandが経営していることが多いようです。しかし,コンスタンツ周辺ではスイス国鉄ドイツ有限会社(SBB Deutschland GmbH)という,スイス国鉄の100%子会社がS-bahnの事業を行っています。
近郊電車(S-bahn)については日本とやや違いがあります。日本でも例えば東京・大阪では近郊電車は長距離電車とは別の系統として運行されています。しかしそれらはあくまでJRの列車として運行されます。これに対してドイツの場合には,日本のJRにあたるDB(Deutsche Bahn)ではない企業体が運行しているケースが多いです。コンスタンツ周辺もその一例です。ただしDBの駅でこれらの切符を買うことはできます。

利用促進策

ミュンヘンなどの大都市になると,こうした近距離公共交通が複数の企業体によって運行されています。その場合でも多くは交通組合(ミュンヘンの場合にはMünchner Verkehrs- und Tarifverbund)を形成していて,その中ならば共通の乗車券で乗車が可能になっています。コンスタンツ周辺でもVHB(Verkehrsverbund Hegau-Bodensee)という交通組合があり,さまざまな共通の割安乗車券も発行しています。こうした交通組合の多くはゾーン制の運賃を採用していて,初めての旅行者にはわかりにくいことが多いです。その場合にはあっさり一日乗車券(Tageskarte)を買った方が得になることが多いです。
路面電車とバスの乗り継ぎを工夫
交通組合がもつメリットは他にもあります。さまざまな企業体が運行している交通機関の調整がうまくできているため,時刻表を全部確認していなくても,ある列車またはバスに乗れれば,目的地までの接続がうまくできている(可能性が高い)ことです(しかし列車に遅延が出ると必ずしもそのようにはなりません)。
大都市は別として,中小規模以下の都市における公共交通の本数はそれほど多くはありません。にもかかわらずあまり不便を感じないのは,こうした工夫がなされているからだろうと思います((2)に続く)。