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Konstanz als Heimatstadt

原発政策転換

ドイツのメルケル首相は15日,野党も含む国内16州(特別市含む)の州首相とエネルギー政策の見直しについて会談。福島第1原発の事故を受けて,早期に脱原発へ政策転換を図る方針を説明した。
会談後の記者会見で,メルケル首相は新政策について,6月上旬に閣議決定し,同月中旬までに連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)で関連法の改正を目指すことを表明。同時に,風力など再生可能エネルギーへの転換を促進することを強調した。
ドイツ政府は3月中旬,国内原発計17基のうち,旧式の7基など計8基の一時停止を発表。昨秋決めた,既存原発の稼働期間を延長する計画を急転換する方向だが,与党内での調整が残されている。このためメルケル首相は,脱原発の具体的な時期や,政策転換に必要な巨額の財源などは明らかにしなかった。(共同)

IZAの昨日付記事からです。最終的にドイツは,保守・中道政権における原子力延命政策を変更し,再生可能エネルギーへの転換を早める方向性を示しました。
福島における大事故のあと,日本の原子力政策がどうなるのかはまだはっきりしていません。他方,ドイツでは,将来的には原子力をやめて再生可能エネルギーに転換するという点においてはほぼコンセンサスが成立していました(Weltの記事)。政治的な争点はそれを「いつまでに」「どのように」行うかという点にあり,現政権は原子力の運用期間の延長に一時は舵を切っていました。しかし福島の事故に加え,先日の州議会選挙における有権者の投票行動が,原子力からの脱却のタイミングを早めることになりました。
ドイツでは議論は次の段階に進んでいるようです。つまり,エネルギー政策転換にともなうコストをどうするかという問題です(南ドイツ新聞の記事)。新たに必要となるコストの代表が,現在原子力発電に依存している南部地域に対して,北部の風力発電の電力を送るための送電線網の建設費です。原子力の運用延長を決めた際には,原子力発電所を用いている業者に対して税金ないし賦課金をかけ,それを使って再生可能エネルギーへの転換を図ることが想定されていました。延長をやめるとなるとこうした財源もとれなくなるため,これを国民負担とするのかどうかなどが議論され始めています。同様の議論は,日本のエネルギー政策の転換の場合でも考慮要素として必要になってくるはずであり,ドイツでの議論の行方が注目されます。