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Konstanz als Heimatstadt

スイスドイツ語

ドイツ語には方言がたくさんありますが...。


日本語と同じく,ドイツ語にもいわゆる方言(Dialekte)があります。正確に言えば,現在我々が勉強しているドイツ語は標準ドイツ語(Hochdeutsch)と呼ばれるもので,ドイツの中部から南部にかけての地域の方言の共通要素をベースに人工的につくられたものだとさえ言えます。日本の共通語が東京方言をベースにしていて東京では共通語に基づく会話がほぼ存在していたのに対し,ドイツ語では会話体で標準ドイツ語を使っている地域はほとんどないとさえ言われます(Bremenがそれにあたるという説を聞いたことがあります)。
中でも特別な地位を占めるのがスイスドイツ語(Schweizerdeutsch)です。スイスドイツ語の書き言葉としての特徴はほとんどありません(ßが使われず,すべてssになることくらいです)。スイスドイツ語は専ら話し言葉(Umgangsprache)です。スイスドイツ語はあまりに標準ドイツ語と異なっているため,ドイツ人でも聞き取ることはほとんどできないそうです。

文法的な特徴

スイスドイツ語は文法的には標準ドイツ語とあまり差がありませんが,いくつかの違いがあります。

  • 2格(Genitiv)がほとんど使われません。多くはvon+3格で書き換えられます。2格支配の前置詞はほとんど3格支配になっています。
  • 過去形はほとんど存在しません(この傾向は南ドイツ方言にもあります)。そこで過去のことは全て現在完了形の形で表すことになります。
  • 移動動詞(gehen/kommenなど)+不定詞の「〜しに行く・来る」の場合に,不定詞にもgehen/kommenが含まれます。標準ドイツ語の綴りで書けばIch gehe schwimmen.はIch gehe gehen schwimmen.のようになります。

発音の特徴

スイスドイツ語の発音は標準ドイツ語とは大きく違います。

  • 母音が二つ続くaueu,eiはそれぞれuu,üü,iiのように発音されます。
  • 外国語由来の単語であっても第一音節にアクセントが置かれる傾向にあります。
  • chが常に強く(ほとんどrののどひご音に近い音で)発音されます。

単語の特徴

スイスドイツ語では使う単語自体がドイツと違う場合もしばしばあります。南部ドイツ方言と共通の場合とそうでない場合があります。

  • Hallo!はほぼそれに近いHalloo!の他,フランス語に近いSalüü!やイタリア語に近いTschou!もあります。またGuten Tag!はGrüezi!となります。
  • Auf Wiedersehen!はその原型をとどめているUf Widergüx!のほか,南ドイツ方言でもあるAdee!も使われます。

ドイツではスイスドイツ語の単語を解説した本や,小さな辞書まで売られています。
なお,もちろんスイス人も標準ドイツ語を理解し,話すことができるので,少なくとも旅行者としてスイスを訪れる場合には,標準ドイツ語だけができれば困ることはありません。