ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

学生と教員の間

Immatrikulationという難しい言葉があります。


学生と教員の間には日本でも何らかの線引きが制度的になされていますが,ドイツの場合には学生としての地位を得るためには学生登録をしておかなければならないという明確な手続があります。先ほど紹介したImmatrikulationという単語はこの「学生登録」の意味です。
日本からドイツの大学に留学する場合には,滞在許可などを得た後にこの学生登録をすることで,一定期間学生としてその大学に在籍することができるようになります。学生登録をすると同時に図書館カードがもらえます。
日本とドイツの大きな違いとして,学生に対する経済的な優遇措置があります。日本では基本的に学生食堂の値段は誰が食べても同じ(生協の組合員かどうかで差を付けることはあります)ですが,ドイツの場合にはいわゆる定食(Stammessen)などいくつかのメニューについて学生料金が設定されています。学生と教員とでは同じものを食べても値段にかなりの差があります。これは学生食堂に対して補助金が出ているためだそうです。他にも,公共交通機関の定期券に大きな差があります。コンスタンツの場合には学生チケットを買うと通常の大人の1ヶ月定期よりも安い金額にもかかわらず半年乗ることができます。あるいは学生寮に入るのもこの学生登録をした人に限られますし,学生互助会(Studentenwerk)が運営する保育園に預けるにも学生登録が求められます。他にも学生登録をするとドイツの疾病金庫に加入することができる(しなければならない)ため,日本から入るよりも安い値段で診療を受けることができるというメリットがあるようです。
制度的にはこのImmatrikulationで線引きがされている学生と教員の間ですが,この線引きが日常よく分かるのが「du」と「Sie」の使い分けです。学生同士の会話の場合は原則として初対面の時からduで呼び合います(duzen)。しかし学生と教員ということになると通常はSieで呼び合うことになります(siezen)。日本のドイツ語文法ではduやihrに対する動詞の変化形は軽視されていますが,こちらに学生としてやってくる場合には,これらの変化形を覚えておく必要がありそうです。