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Konstanz als Heimatstadt

紛失か遅れか

ベルリン・テーゲル空港は手狭な空港です。多くの空港では手荷物検査やパスポートコントロールは集約されていますが,テーゲル空港ではゲートごとにそれらが存在しています。手荷物受取設備も同様で,2つのゲートでひとつの受取設備があります。通常の空港では手荷物受取場の近くに紛失時の窓口があり,担当職員が常駐していますが,テーゲル空港では手荷物受取設備には誰もいません。そして紛失(lost baggage)あるいは遅延(verstätetes Gepäck)の場合には,ウェブサイトにアクセスせよという指示だけが書かれています。
こんなところで荷物が出てこなかったら困るだろうなと以前から思っていましたが,ベルリン訪問10回目の今回,初めてベルリンで荷物が出てきませんでした。テーゲル空港がいつまで使われるかはよく分かりませんが(2020年という説と2022年という説があるようです),対応をメモしておけば何かの役に立つこともあるかも知れませんので,書いておきたいと思います。

航空会社はノータッチ

荷物がなくなった場合,日本だと航空会社の担当者に連絡することが多いと思います。ところがテーゲル空港では,航空会社のカウンターにいっても,ウェブサイトの案内のカードを渡されるだけで,解決になりません(Lufthansaの場合)。確かにLufthansaのウェブサイトには遅延手荷物の登録ページがあるのですが,荷物番号はLufthansaが出したものしか登録できないようで,ANAの番号だと受け付けてくれませんでした。

WISAGの窓口

テーゲル空港の場合には,ターミナルビルを管理し,アクセスバスや荷物を運搬しているWISAGという組織があり,そこが一括して紛失手荷物を管理しています。その窓口はターミナルC(ルフトハンザ系が入っているターミナルAからは徒歩5分程度)の近くにあり,最初はそこに行ってみました。しかしあまりの大行列に驚き,結局何もできませんでした。この窓口は全ての航空会社を一括で扱っているため,荷物が出てこなかった乗客が常に集中しているようです。

スターアライアンス専用窓口

そこで,別のLufthansaの窓口で聞いてみると,ターミナルAの5番ゲート近く(A05)にWISAGのスターアライアンス(Lufthansa,スイスエア,オーストリア航空)専用の窓口があるそうです。確かに行ってみるとその3社専用と書いてありました。それでも随分人が並んでおり,結局空港を後にするまでに2時間以上かかってしまいました。
窓口では,出てこなかった飛行機の便名,荷物タグ,住所・滞在先住所のほか,日本からの場合には税関関係の書類も一緒に書かされます。おそらくこれを書かないと運んでくれないと思われるので,仮にネットでの登録ができたとしても,本当に運ばれてくるのかよくわかりません。書類を書き終わると,「紛失ごめんなさい一晩用セット」と称するバッグを渡されます。男女で内容が違っているようなのですが,男性用だと,肌シャツ,使い捨ての剃刀,シェービングローション,シャンプー,綿紡などが入っていました。

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WISAGのスターアライアンス専用窓口
これと一緒に渡される紙に記載された番号を,指定のwebサイトで入力すると,荷物の状況がある程度分かるようになっています。登録がされると,直近の便でベルリン・テーゲル空港まで荷物が運ばれる設定になっているようです。今回の場合にはぎりぎり最終便の前のタイミングに間に合ったので,同日中に荷物はベルリンに来ていたようです。ただ,その後の宅急便での運搬についてまでは表示がされず,滞在先のホテルに荷物が到着したのは,翌日の17時過ぎのことでした。