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Konstanz als Heimatstadt

コムシティ売却決定

北九州市第3セクター「黒崎ターミナルビル」の破たんに伴い閉鎖されていた同市八幡西区・JR黒崎駅前の複合商業ビル「コムシティ」の商業用スペースが,那覇市の建設会社「沖創建設」(横田恵文社長)に売却されることが決まった。26日午後にも,沖創建設と3セク破産管財人が売買手続きを行う。同社は商業施設として再開させる意向。
北九州市の副都心・黒崎地区再生の最大の懸案だったコムシティ問題は,3セク破たんから約4年3か月ぶりに解決へ向け前進する。
関係者によると,沖創建設は地上12階,地下1階(延べ床面積約9万6000平方メートル)の建物のうち,地下1階から地上6階までの商業床(延べ計約2万9000平方メートル)と,隣接する立体駐車場(同約1万8000平方メートル)を買収する。改装工事の後,スーパーや専門店などが入居する予定。売却価格は30億円を下回る見込み。
同社は1982年設立で,資本金4800万円。信用調査会社の東京商工リサーチによると,沖縄県那覇市などの公共工事,民間のマンション建設などで業績を伸ばし,福岡市などにも支店がある。2006年6月期の売上高は約80億7500万円。
コムシティは01年11月,再開発事業の中核としてオープン。6階までに物販,飲食店など,7階に市の施設「子どもの館」,9〜12階にホテルが入居した。しかし,他施設との競合で商業施設の収益が伸び悩み,黒崎ターミナルビルは03年6月,約130億円の負債を抱えて自己破産。市施設やホテルは営業を続けているが,商業床はほとんどが閉鎖された。
一方,市は3セクの資本金6億円のうち1億2000万円を出資し,約34億7700万円を融資した。今回の売却で返還されるのは5億円程度で,残る約30億円の債権は放棄するという。
売却を巡っては,06年6月,東京の業者が約30億円で買収する意欲を示したが,抵当権を持つ一部の民間企業が難色を示し頓挫していた。

読売新聞の昨日付記事からです。ようやくコムシティ売却が決定しました。別の記事では

沖創建設が買い取ったのは,地上12階,地下1階(延べ床面積約9万6000平方メートル)のビルのうち,地下1階から地上6階までの商業床(延べ計約2万9000平方メートル)と,隣接の立体駐車場(同約1万8000平方メートル)。医療機関,保育園,スポーツジムなどが入居を検討中という。

また

コムシティを運営する3セク破産管財人から契約完了の報告を受けた北九州市北橋健治市長は「早急に解決すべき課題だったので売買成立はうれしい。再建計画を見守り,黒崎の発展につながるようにバックアップしたい」と喜びをにじませた。
黒崎の地元商店街でカメラ店を営む橋本平八郎さん(70)は「空き家のままではイメージが悪いので売却は歓迎。ただ,中に入るテナント次第なので期待も半分。商店街の客は郊外店に流れており,日曜日は特に少ない。人が集まるような,魅力的なテナントが入ってほしい」と冷静だった。
同じく商店街に店を構える男性(59)は「コムシティは物販で失敗した。専門学校や公共性のある施設など,物販に偏らないテナントでなければまたつまずく」と注文。
市が多額の債権を放棄する見込みとなっていることについて,商店街で買い物をしていた近くの主婦(62)は「税金が無駄になるのは良くないが,このまま売却されず,街がさびれた状態でいるよりは,少しでも早く商店街に活気が戻ることが必要」と,理解を示していた。
また,日本銀行北九州支店は「活性化の道筋は見えたが,小倉や福岡市からの客足は期待できず商圏は狭い。北九州市の副都心を目指すのではなく,病院や子育て支援機関などを入れて,暮らしに役立つ場所にすべきでは」と指摘した。

との記事も読売新聞昨日朝刊に出ていました。破綻から4年が経過し,ようやく再生に向けて動き出したことを歓迎したいと思います。買い手は意外なところでしたが,いずれにせよどのような店を入れるのかによってうまくいくかどうかが分かれそうです。コムシティは若い人を意識しすぎて,人の入りと収益とがマッチングしていませんでした。むしろ高齢者層をターゲットにした方が収益性を高めることができるように思います。