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Konstanz als Heimatstadt

百貨店の展望

経営不振を理由に撤退を表明していた小倉伊勢丹北九州市)が25日,閉店した。店舗は4月から地元百貨店・井筒屋の運営のもと,「コレット井筒屋」として再出発する。百貨店業界が消費低迷と競争激化に苦しむ中,新店は北九州都心部に活気を戻すことができるのか,先行きは不透明だ。
コレット」は,小倉伊勢丹が使用していたビルの地下1階から地上6階(約3万平方メートル)をそのまま活用する。手直しは必要最小限に抑え,秋に予定している本格改装に備える方針だ。新店は客層の照準を「35歳プラスマイナス3歳」(江本幸二井筒屋社長)に据えた。本店は中高年層が中心で,若い客層の「コレット」との競合を避け,幅広い層の取り込みを狙う。
本店との間をシャトルバスで結ぶことも検討中で,店舗に一体感を持たせ「エリア」で集客力を高める戦略だ。江本社長は「新店は百貨店にこだわらず,新しい形を目指す。本店との相乗効果を発揮すれば,福岡市への対抗軸になりうる」と力を込める。
しかし,百貨店を取り巻く経営環境は厳しさを増している。九州百貨店協会によると,九州・沖縄の2007年の総売上高(19社29店舗)は,前年比2・2%減の6435億円と,5年連続で前年を下回った。郊外の大型商業施設などに顧客を奪われ,衣料品などの不振が続いている。
北九州市の商業施設は2000年のそごうグループの破たん以降,撤退や閉店が相次いだ。福岡市に近隣の顧客を奪われ,格差は今も広がりを見せている。
一方,福岡市では2011年の九州新幹線の全線開通に合わせ,JR博多駅に阪急百貨店が進出する。中心街・天神に拠点を構える3百貨店もてこ入れを進めており,北九州市の百貨店が客足を取り戻すハードルは高い。
九州経済調査協会の松嶋慶祐研究員は,「北九州では小倉伊勢丹の閉店が,独身・社会人の客層の福岡流出を後押しする可能性がある。(北九州の百貨店には)客の回遊性を高め,時間を消費させる仕掛けが必要」と指摘している。

読売新聞の昨日付記事からです。ついに伊勢丹が撤退しました。商業地としての福岡の魅力が新幹線開業を契機にますます高まっていく中で,北九州地域の百貨店が生き残って行くには,差別化とターゲットの限定が不可欠だろうと思います。むしろ若年層はあまりターゲットにしない方が成功するような気がします。