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Konstanz als Heimatstadt

ドイツ料理はまずい?

ドイツ料理に対する日本人のイメージはあまりよくないのですが...。


今から10年以上前に初めてドイツに来たとき,ドイツ料理はおいしくないと思いました。特に強烈だったのは酢キャベツ(Sauerkraut)で,あまりの酸っぱさにほとんど食べられなかった記憶があります*1
しかし,今回2年間滞在してみると,ドイツ料理がまずいというイメージはかなりの程度間違っていることが分かりました。

ドイツ料理=まずい の原因

ドイツ料理に対する悪いイメージの原因は恐らく次の3点にまとめられると思います。
第1は,ツアー客が行く店のセレクションの問題です。おそらくは予算の都合だと思いますが,一般的な団体旅行で行く店の質があまりよくないので,出てくる料理もあまりよくないのではないかと思います。食べ物に限らずドイツではほぼすべてのものが「値段に正直」なので,安くて美味しい店を探すのは日本よりも難しいと思います。
第2は,地域的な問題です。一般にドイツは南側の方が食生活が豊かです。食材が豊富になることも背景にあります。またコンスタンツがあるバーデン=ビュルテンベルク州は,その多くがフランス占領時代を経験しているので,フランス料理の影響を受けたと言われます。北でもハンブルクまでいくと魚料理がおいしいですが,中間地域のヘッセン州(フランクフルト付近)は食材の面でも料理方法の面でも他地域に劣ります。日本人が最初に出逢うドイツはこのあたりなので,ドイツ料理の第一印象がまずくなることにつながっている気がします。
第3は,日本にドイツ料理の店が極端に少ないことです。日本人にとって印象がよいイタリア料理・フランス料理であっても,現地で食べて美味しい店は限られています。日本人の好みに合わせてアレンジされた日本のイタリア料理・フランス料理の方が圧倒的に美味しいと感じます。日本人のイタリア料理・フランス料理に対する良いイメージは,現地の料理ではなく,日本でのこれらの料理に依存しているとさえ言えます。これに対してドイツ料理を専門に出している店はとくに地方都市ではほとんどなく(ドイツパンを売りにする店がある程度です),日本人が日本でドイツ料理のよいイメージを得ることはかなり難しくなっています。

外食<家庭料理

さらにドイツ料理のイメージを悪くしている原因があります。ドイツでは一般に家庭料理の方が外食よりおいしいと言われます。ユーロ導入で外食産業は値段をつり上げたため,外食のコストパフォーマンスはとても低くなっています。日本と異なり,土日に外食しているのは観光客ばかりで,外食が生活に組み込まれた様子はあまりありません。

素材で勝負のドイツ料理

Riva Hotelはボーデン湖のすぐ近くに立地
しかし,きちんと店を選べばドイツ料理は決してまずくありません。ドイツ料理は一般に,調理の仕方よりも素材で勝負する傾向にあります。見た目はそれほど美しくなくても食べてみると美味しいということがしばしばあります。最近では,見た目も美しいドイツ料理にもときどき出逢うようになりました。コンスタンツでもRiva Hotelが提供する料理は見た目も美しく,味も美味しいです。

*1:酢キャベツは安いものほど保存を利かせるための酢を多く使っているそうです。きちんとした店で食べれば,酢キャベツはそんなに酸っぱくありません(日本のサラダドレッシング程度の酸っぱさです)。