ernst@hatenablog

Konstanz als Heimatstadt

ドイツ語文法シリーズ

本当に外国語に堪能な人は道具を選ばないのかもしれませんが,そうでない場合には「辞書」「文法書」として何を使うかがかなり重要になると思います。今回は書評シリーズとしては初めて外国語の文法書を取り上げます。


冠詞・前置詞・格 (ドイツ語文法シリーズ)

冠詞・前置詞・格 (ドイツ語文法シリーズ)

接続詞 (ドイツ語文法シリーズ)

接続詞 (ドイツ語文法シリーズ)

ドイツ語の初級文法書は数多く出ていますが,中級以上となると極端に数が少なくなります。最も定評があるのは在間進・詳解ドイツ語文法で,おそらくドイツ語を読む上での疑問の9割はこれで片付きます。問題は残りの1割への対応です。この局面で使えるのが,上記3冊を含む「ドイツ語文法シリーズ」です。第1期10巻刊行計画のうちまだ出ていないのは『動詞(第4巻)』と『発音・綴字(第8巻)』だけで,それ以外は昨年までにそろいました。このシリーズはドイツ語文法の専門書としての性格もあり,そのため高度すぎる内容や,法律学のドイツ語を読む上ではいわば「雑学」に属する内容もかなりあります。しかし最後に頼れるシリーズとして活用場面は多いように思います。このほか,ヘルビヒ=ブッシャ・現代ドイツ語文法もありますが,これはさらに独特な書かれ方で,ちょっと難しいでしょう。

ドイツ語の定番辞書といえば独和大辞典(小学館)ですが,フランス語ではどうなのでしょうか。フランス語を専門にする院生の多くは新スタンダード仏和辞典(大修館書店)を薦めてくれます。たしかに使ってみると法律学の術語へのフォローがかなりあり,また辞書としての使い勝手もよいように感じます。一方,クラウン仏和辞典(三省堂)は,基礎的な動詞の用法を細かくフォローしていて新スタンダードとの併用が効果的なのだそうです。フランス語の文法書としてはフランス語ハンドブック(白水社)が最も著名なようです。ただまだまだフランス語「超」初心者の僕から見るとこの本は相当に敷居がたかいのですが,dpi先生,いかがでしょう?
(7/1:追記 …とふっていたら,早速詳しく教えていただいています(法学学習のためのフランス語辞典・文法書)。ここをクリックするとご覧いただけます)

英語の定番辞書となると,やはりリーダース英和・リーダースプラス(研究社)とジーニアス英和大辞典(大修館書店)が双璧でしょう。個人的にはジーニアス英和大辞典の方が語法・例文の点で使いやすいと思います。もっともこれらは冊子体ではあまりに場所をとるので,電子辞書の方が賢明でしょう。英語の文法書としては,高校時代から愛用しているロイヤル英文法(旺文社)が一番詳しいと思われます。あと,高校時代に指定文法書だったメイントップ総合英語(山口書店)は詳しいとは言えないものの,なんとなく愛着があっていまでもたまに開いてみることがあります。